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 ドイツの産官学が一体となって推進する次世代製造業のコンセプト「インダストリー4.0」(Industry 4.0、ドイツ語ではIndutrie 4.0)。その生き字引的存在であるDetlef Zühlke氏が来日し、報道機関との質疑応答を行った。インダストリー4.0で工場はどう変わるのか、ドイツでどのようなプロジェクトが進んでいるのか、質疑応答の内容をまとめた。(インダストリー4.0の関連記事

――ドイツがインダストリー4.0で狙っていることは何か。

Detlef Zühlke氏
ITを活用した工場の“スマート化”に関する技術イニシアチブ「SmartFactory KL」のChairman。German Research Center for Artificial Intelligence(ドイツ人工知能研究センター、DFKI)のInnovative Factory Systems(IFS)のScientific Directerを務める他、機械工学の専門家として複数の大学に籍を置いている。

Zühlke氏:ドイツと日本は、工場の自動化技術で長年にわたって競い合ってきた。現在、両国は同等のレベルにあると認識している。だが、自動化技術は新たな時代に入ろうとしている。

 個人的な認識では、インダストリー4.0は製造業を“リーン”な方向に向かわせる。現在、技術そのものが転換期を迎えている。そうした中では、以前の失敗を繰り返してはならない。その失敗とは、生産技術がどんどん複雑化し、柔軟性を失うことだ。製品のライフサイクルが短くなっているのに、生産技術が複雑なままだと、その動きに追い付けなくなる。我々は、日本からリーンプロダクションの哲学を学んだ。工場は、現在の複雑性を解消してリーンな方向に向かう必要がある。

――リーンな方向とは具体的にどういうことか。

Zühlke氏:1つの例として工場のエンジニアリングが挙げられる。現在は、まず製造するものを決めて、次に使用する設備を決める、といった具合にシーケンシャルに物事を進めている。しかし、それではエンジニアリングにかかる時間が長すぎる。製品のライフサイクルが短くなると、そんなスケジュールでは間に合わない。

 インダストリー4.0では、工場の生産設備もプラグアンドプレイになる。設備を標準的なネットワーク、すなわちインターネットに接続すればすぐに生産を始められるような世界だ。それは、プリンターを買ってインターネットにつなげばすぐにプリントできるのと同じことである。いわば、「レゴブロック」を組み立てるように工場をエンジニアリングするのだ。