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我が子の成長を喜ぶ親のように

イラスト:ニシハラダイタロウ
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 どの企業にも、社外講座の人選をどうするかという深く重い問題がある。すなわち、受講させて成果が現れなかったときの送り出す側の責任問題と、送り出された側がダメなときに備えてしまう防衛本能という問題である。

 いずれも、開発を遂行するための条件とは対極的な、「超後ろ向き」の心配である。ダメならやめればいい、責任がない環境でこそ開発は進むという、まさに真実とは正反対の心理が、送り出す側、送り出される側のそれぞれに存在してる。そのことが、実は企業にとっては最大のジレンマなのである。

 このジレンマを乗り越え、実際に新事業や新商品を開発する場所こそがビズラボだ。実際にビズラボに参加すれば分かるが、経験したことのない人には、このジレンマさえ見えないのだから仕方ない。

 では、この部長はなぜAさんを送り出したのだろうか。それは、彼のことを知っている私には分かる。

 部長には、Aさんなら大丈夫という確信があったに違いない。自分が転職して気付いた、それまで意識していなかった異業種の情報や人脈が、新天地で大いに役立った。それと同じ経験を、Aさんにもさせたいし、Aさんなら自分と同じようにやれるという、その確信があったに違いない。

 つい最近、その部長にお会いした。私がそれとなく、Aさんがだんだんと前向きになり、受講態度も「超前向き」であることを告げると、本当にうれしそうだった。それはあたかも、我が子の成長を喜ぶ親のような顔だったのである。

 そういえば、可愛い子には旅をさせよと聞く。きっと、この部長にも同じ想いがあったに違いない。この2人の関係が親子ではないのはいうまでもない。ただいえるのは、Aさんを送り出した部長の想いは、子がどんなことになっても責任は果たすという親の想いと同じだということだ。

 送り出す人と送り出される人、そこに絆がある。

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役
1951年生まれ。1988年にシステム・インテグレーションを設立し、代表取締役に就任。現在40社以上の顧問、日本知的財産戦略協議会理事長、パワーデバイスネーブリング協会理事、ものづくり学校取締役会長、日本トレーサビリティ協会事務局長、金沢大学や九州工業大学の客員教授などを務める。
 「ビズラボ」は、幅広い業種の次世代リーダーを集め、異業種の仲間との闊達な議論によってビジネスプランを練り上げる場です。ビジネスプランの創出から事業化までを一気通貫で取り組める環境を整え、企業の新事業創出を強力にサポートすることが目的です。

 具体的なプログラムとしては、全6回の短期集中講座と、“開発の鉄人”ことシステム・インテグレーション代表取締役の多喜義彦氏による個別カウンセリング(1社1回)、新しいビジネスを成功に導いた先駆者と対話する「リアルツアー」(2回)で構成します(詳細はこちら)。