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前編から読む)

 今回も「センシングデータビジネスにおける、ものづくりの課題」というテーマで、兵庫県立大学大学院工学研究科電気系工学専攻教授である前中一介氏の話をお届けします。

 前編では、センサーに強みを持つ日本のメーカーがなぜMEMSでは欧米のメーカーに勝てなかったのかについて伺いました。今回の後編では、IoTの時代に日本のメーカーがMEMSを含むセンサー市場やセンシングデータビジネスで躍進するための道筋を探ります。

――日本のメーカーがMEMSで勝てなかった理由については、よく分かりました。今後はどうすべきなのでしょうか。

前中一介氏
まえなか・かずすけ●兵庫県立大学大学院工学研究科電気系工学専攻教授。1984年豊橋技術科学大学大学院情報工学専攻修了。同年、豊橋技術科学大学電気・電子工学系電子デバイス大講座教務職員。1989年から神戸市立工業高等専門学校電子工学科講師、1993年から姫路工業大学工学部電子工学科助教授、部門改組・大学名改称を経て兵庫県立大学大学院工学研究科電気系工学専攻回路システム部門所属となる。2007年教授、現在に至る。工学博士。センサーの高機能化・集積化、多次元センサとその応用、マイクロマシニングによるセンサーデバイスに関する研究に従事。電子情報通信学会、IEEEなどの会員。
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前中 日本のメーカーは、技術力があります。その技術力をアピールするという意味では、「オープン化」が大事だと思っています。完成度があまり高くなくても、エンジニアリングサンプルを誰でも買える値段で取りあえず出してしまう。そうすることで、世の中に技術を問うわけです。

 日本のメーカーが得意としているBtoBは、極端にいえば、顧客の言う通りにすればいいので、そういった意味では楽なのです。世間に広く公開すると、何を言われるか分からないという怖さがあります。しかし、それはある程度覚悟をして、もし至らない点を指摘されても次で反映させるという姿勢を示せば、最初のうちは多少の問題があっても認めてくれると思うのです。

 趣味でものづくりをやっている人も、結構面白いものを作ります。そういう人が、例えば『Design Wave Magazine』(CQ出版、現在は休刊、内容は『FPGAマガジン』などに引き継がれている)のような技術誌に書くでしょう。それをメーカーの技術者が見て、「これはいいな」と思ったら、実際に製品化するパターンもあります。本当に趣味でやっている人は結構貴重だと僕は見ています。そういう人は、とんでもないことをしますから。