融資適格性の評価低い日本メーカー

 世界基準のプロジェクトファイナンスでは、事業そのものの収益性を徹底して評価し、プロジェクトを構成する企業の信用力には頼らない。メガソーラーで典型的なのが、パネルの選定だ。メーカーの信用力ではなく、パネル自体の性能や耐久性を第三者機関などに依頼して徹底して評価する。

 この結果、中国メーカー製でも、評価が高ければプロジェクトファイナンスに使われている。これに対し国内金融機関は、不具合があった時のサポート力を重視し、企業規模が大きく経営が安定している日本メーカーを指定することが多い。

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が海外の太陽光EPCサービス事業者と技術評価機関の17社に太陽光パネルのバンカビリティ(融資適格性)の高さについてアンケート調査したところ、トップは米ファーストソーラーで、2番手には韓国ハンファソーラーワン、中国JAソーラー、中国トリナ・ソーラー、中国インリーグリーンエナジーが続くという結果だった。

 パナソニックやシャープ、京セラ、三菱電機の国内大手4社は、こうした米韓中の大手パネルメーカーの次にランクされ、評価はトップクラスではない。日本メーカー製パネルのバンカビリティに関し、国内と海外が逆になっている。国内の金融機関がプロジェクトファイナンスに際し、国内メーカー製のパネルにこだわるのは、世界基準になっていない表れとも言える。

 国内のメガソーラー開発ベンチャーや地方中堅企業の幹部には、「日本の金融機関が本来のプロジェクトファイナンスを理解してくれれば、もっと再生可能エネルギー分野で、ベンチャーや地方企業が伸びるはず」との不満は多い。

 岡山県で建設の始まった「瀬戸内メガソーラープロジェクト」や「パシフィコ・エナジー久米南メガソーラー太陽光発電所」は、世界基準のプロジェクトファイナンスが日本にも導入されたという点で、画期的と言える。今後、こうしたメガソーラープロジェクトが、国内の金融機関を変えるきっかけになる可能性もある。

この記事は日本経済新聞電子版のエネルギー分野のコラム「エネルギー新世紀」から転載したものです。