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 今回の華麗なる技術者は、小畑至弘氏である。小畑氏は、ADSL事業で急成長を遂げた通信大手イー・アクセスの創設当時からCTO(最高技術責任者)を務めた人物だ。日本のインターネット黎明期から業界の中心となってインターネット関連の技術とビジネスを先導してきた草分けの1人である。イー・アクセスがソフトバンクに買収された後、BizMobileというベンチャー企業のCEO(最高経営責任者)として活躍している。

 昨年夏の2か月間、小畑氏は暑い都心を避け、長野県軽井沢町の別荘から東京・神田にあるBizMobileのオフィスに通勤した。夏が過ぎ、都心より一足早く秋が訪れ、紅葉が始まった週末、小畑氏の軽井沢の別荘でインタビューする機会を得た。長野新幹線の最寄りの軽井沢駅から3kmほど、「離山」の山腹にある斬新なデザインの別荘は、隣家もほとんど見えず、眼下の木々とリビングルームを吹き抜けるそよ風が心地よい。

小畑至弘氏(右)と加藤幹之氏(左)。軽井沢にある小畑氏の別荘で。
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 小畑氏とは、何年も前にインターネットの国際会議で知り合った。インターネットのセキュリティーやプライバシーという難しい問題について、英語で堂々と意見を述べる小畑氏にお会いするたびに、いつかはこの華麗なる技術者に登場していただきたいと思っていた。

技術者が技術者・経営者として成功するには

 技術者が技術者として、さらには経営者として成功するには、違った考え方の人々を広く受け入れ、同時に自分の信念を持ち続けてそれを周囲に理解させていくことが必要なのではないか。小畑氏は、インターネットというグローバルプラットフォームの世界でそれを体現してきた。

 小畑氏が現在CEOを務めるBizMobileの主業務は、企業が社給するiPhoneなどのモバイルデバイスを業務で安全に活用できるソフトウエアやインフラを提供するビジネスだ。これはグローバルにも展開可能なもので、小畑氏がどのようにグローバル化を進めていくのか楽しみである。

 聞けば、BizMobileは、主に日本企業相手の日本の会社でありながら、技術者の半数は外国籍の人々とのことである。インドやカナダ、ニュージーランドといった英語圏の出身者が多いが、エストニアやフランスなど、非英語圏の技術者も採用しつつあるようだ。

 20代から30代前半の技術者には一度、起業を経験した人材も多く、フレックスタイム制でコアタイムも一切なし。完全な裁量労働を採用しており、残業も原則なし。電話会議などの普段の技術関連の会話は英語が中心ということである。

 こう聞くと、残り半分の日本人技術者はどんな人なのかと気になる。