田子裕子:利益が出ないけれど、社会への貢献度が高い活動は少なくありません。しかし、それを個人がボランティアで頑張るのは大変ですし、NPO(非営利組織)は資金の確保に制約が多い。そして、企業の事業としてやるのもなかなか難しい。その点、ベネフィットコーポレーションは新たな選択肢になり得ます。本来、社会貢献に取り組む企業が利益を享受できることは、社会にとっても望ましいわけです。だからこそ、米国はベネフィットコーポレーションのような制度をいち早く導入したのでしょう。

 企業として利益を出すことは大事です。しかし、これからの時代はもっと大きな視点で人類全体が持続可能な社会を模索しなければなりません。ベネフィットコーポレーションのような制度が広まれば、企業に在籍しながら社会貢献活動にチャレンジする人が増えると思います。

(写真:栗原克己)

――社会貢献活動にしても新規事業にしても、新しいことに挑戦している人の評価に適した物差しをきちんと考えましょうということですね。

田子裕子:そうです。会社の中に別の部門を設けるのか、あるいは全く別の会社をつくるのか、いずれにしても新規事業に挑戦している人をきちんと評価する場を用意することで、もっとやりやすくなります。「1事業1000億円」の呪縛からも逃れられるかもしれません。