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アクセス記事ランキング(11/18~1/5)
設計・生産
1 職場での不遇を妻に見抜かれ、とうとうマツダを辞める
2 業を煮やしたフォードと反発するマツダの間で、板挟みになる
3 フォードの“ロジカル思考”に期待し、見事に裏切られる
4 工業生産で農作物の競争力が向上、製造業の技術やノウハウをフル活用
5 MOT(技術経営)を学ぶには技術と経営のどちらが先か?
6 「技術はあっても経営がない」ことを痛感、同志と共に改革を目指す
7 第5回:イノベーションの種を見抜く
8 第12回:「Wants」を探り、お客さんの心を動かす
9 東北大学、貼ると発電するバイオ電流パッチを世界で初めて開発
10 ひっそりと排ガス問題を解決、トヨタとの差に涙を流す
11 機能美に打たれ、ロータリーエンジンの研究開発を志願
12 製造業が本気で挑む野菜生産--- AGPが植物工場を新設したワケ
13 幾何公差の基本を理解する 
14 合理的・革新的な言動が物議を醸し、ロータリーエンジン実験課から離れる
15 ロータリーエンジンの燃焼改善に挑み、地獄の淵を見る
16 クルマを深く理解し、共通化手法を次々と編み出す
17 開発業務のシステム化で挫折を味わい、ついに辞表を書く
18 大林組、装着型ロボット「HAL」を建設現場で実証---重量物の運搬数が2倍に
19 ロータリーエンジンの排ガス対策に苦闘、社内随一の専門家に
20 そこはまるで半導体工場でした

 ついにマツダを退社した日野三十四氏――。日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「設計・生産」では、モジュラーデザインの提唱者である日野氏の連載「一人の技術者がモジュラーデザインを確立した軌跡」が以前にも増して読まれています。2014年11月18日~2015年1月5日のランキングでもトップ3を独占。特に、日野氏がマツダを退社した第13回(2014年12月24日公開)は、単独のページビュー値がテーマサイト全体の合計かと見紛うほど多くの読者を獲得しました。

 ランキングの5位は、中央大学教授の竹内健氏による「竹内健のエンジニアが知っておきたい技術経営MOT」の最新の記事「MOT(技術経営)を学ぶには技術と経営のどちらが先か?」でした。この「技術と経営のどちらを先に学ぶべきか」という問いの答えは「技術」です。まず基礎知識(技術力)を蓄積させてから、それを生かす形で課題解決能力やプレゼン力(経営に必要な能力)を養う、という順番を踏むべきという主張でした。

 「エンジニアとしても一つの専門分野に留まらず、広く技術から経営までを俯瞰できるMOT(技術経営)の素養を持った人材が必要とされて」いることから、「創造性を持った課題解決能力の教育」「プレゼン力、コミュニケーション能力の育成」が重視されています。竹内氏自身は、当然のことながら「MOTの重要性を訴えてきた」お立場なので「正直なところ、現在の教育改革に対しては複雑な思い」と打ち明けつつ「教育現場で起こっているのは、学生の基礎学力の低下です。基礎の学力ができていない学生に特殊な教育をすれば、課題を解決できるようになるでしょうか」と問題を投げかけます。

 これを読んで当サイトマスターは「専門バカ」という言葉を思い出しました。かつて、理系の学生だった当サイトマスターは、一般教養課程の教官に「卒業するときに『専門バカ』になってもらっては困る。しかし『専門もバカ』はもっと困る」と言われたのを覚えています。「専門バカ」とは、1つの専門分野のことは詳しいが、それ以外のことや世間の常識を知らないため、さまざまな角度でものを見ることができない人、といったような意味でした。

 竹内氏の記事の表現を借りると、研究者や技術者としての基礎学力はあるが、課題解決能力やプレゼン力、コミュニケーション力が備わっていない状態のことだと思います。それでも、「専門バカ」は、基礎学力が不足する「専門もバカ」よりは優る。一番重要なのは基礎学力だ、という優先順位を示す言葉だった、と改めて思います。