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 前回、canとwillの違いによる意思表現のズレについて書きましたが、ビジネスにおいて最もまずいのは数字の間違いです。エンジニアであればなおさら、数の表現には注意が必要です。

This task requires more than three operators.

 こう言われたら、必要な操作員は何人だと思いますか。
「この作業は3人以上の操作員を要す」と訳した方、残念ながら不正解です。日本語の「3人以上」は「3人」を含みますが、英語の「more than three」は「3人より多くの」という意味で「3人」を含みません。つまり必要なのは4人以上、「この作業は4人以上の操作員を要す」となります。

 「3人以上」と書くには「three or more」あるいは「at least/最少で(下限)」と書きます。

This task requires three or more operators.
「この作業は3人以上の操作員を要す」

This task requires at least three operators.
「この作業は最少3人の操作員を要す」

 同様に、「3人以下」なら「three or less」あるいは「up to three/最大で3人(上限)」、「3人未満」なら「less than three」となります。

 続いて、もう少し複雑な例文を見てみましょう。

One shareholder cannot hold more than 49 percent of the capital stock of the company.

 さて、株主は何パーセントまで株を保有できるでしょうか。

 「more than 49 percent」は「49パーセントより大きい」ので、小数第2位まで見るとすると「49.01パーセント以上」です。それが「cannot hold」なので、「この会社では、1株主は49パーセントを越えて株を保有することはできない」あるいは「1株主で49.01パーセント以上の株を保有できない」と訳せます。つまり49.00パーセントまでは保有できます。

 ずいぶんと回りくどい説明になってしまいましたが、これも技術英語の3Cから簡潔(Concise)で明確(Clear)に直すことができます。元の英文を分かりづらくしている否定形の文章を肯定形にし、「more than」が混乱を招いているので「up to/最大で(上限)」を使うとすっきりします。

One shareholder can hold up to 49 percent of the capital stock of the company.
「この会社で1株主が保有できる株の上限は49パーセントだ」