PR

 損なわれた組織・器官・臓器の機能を回復させるといった再生医療・細胞治療での活用や、創薬支援などの産業応用に期待が集まる幹細胞関連技術。2012年に京都大学 教授の山中伸弥氏がiPS細胞の作製でノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、幹細胞関連技術に対する日本の研究レベルは高いとされる。だが、幹細胞関連技術への注目度は世界的に高く、日米欧、そして中国や韓国などが研究開発と産業応用を競っている状況だ。特許庁は「平成25年度特許出願技術動向調査」において、国内外で出願された幹細胞関連技術の市場環境や特許出願動向、研究開発動向を明らかにした。本稿では、幹細胞関連技術について、日本、米国、欧州、中国、韓国といった国や地域ごとに見た特許出願動向や論文発表動向、各国の特許出願が産業への応用向けかどうかなど、同調査の要点を紹介する(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら)。

 「幹細胞(stem cells)」とは、自己とは異なる細胞になる能力(多分化能)と、細胞分裂により自己と同じ能力を有する細胞を娘細胞として生ずる能力(自己複製能)を併せ持つ細胞のことをいいます。本調査においては、「幹細胞の自己複製能と多分化能のメカニズムを解析し、幹細胞の機能を制御し産業応用を図る上で必要な全ての技術」を「幹細胞関連技術」として定義します。