もう一つは、いわゆる「九電ショック」(九州電力が2014年9月、既存・新規を含めて太陽光発電の系統接続の回答をすべて保留にした件)以降、国の固定価格買取制度の改訂が行われており、買取価格やそれが決まるタイミングが変更される可能性もあることだ。太陽光発電事業者の多くは、新電力への売電によって何も不利益が生じないことを見極めたいのである。

 例えば、産業用の低圧太陽光発電を手掛けるある事業者は、SBパワーの申請書を取り寄せて検討しているが、こう本音を漏らす。「SBパワーが『4カ月前に発電事業者側に通知することにより受給契約の全部または一部を解除することができる』という条項を見て気持ちが揺らいだ」。

 国による固定価格買い取り制度の改訂も、個人や中小企業を含む太陽光発電事業者にとって懸案事項である。新電力に売電先を変え、万一その新電力が倒産したり、事業を停止したりした場合、元々売電していた一般電気事業者に戻すと買取価格が当初の40円/kWhや36円/kWhではなく、32円/kWhなど現在もしくは今後設定される買取価格になってしまうのではないかと恐れているためだ。

 半面、東電からエナリスに売電先を変更する手続きを早々に済ませてしまい、さらに同社の株式も購入するなど、新電力による電力事業の将来性に賭ける太陽光発電事業者もいる。国の制度改訂が落ち着けば、売電先を買取価格の面で有利な新電力に変更する流れが本格化するかもしれない。