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 ここまでの話で、「プロジェクションマッピング」(PM)を思い浮かべた人もいるはずだ。PMとは、建物や人体などあらゆるモノに映像を投影する演出手法で、最近になって世間の関心が高まっている。日本でPMが広く知られるようになったきっかけは、2012年に東京駅丸の内駅舎で開催されたショーだろう。れんが造りの駅舎に幻想的な映像が次々と浮かび上がる光景は、多くの人を魅了した。モノと映像を組み合わせるPMは、これまでにない視覚的な効果を生み出せるのだ。そのため、同様の演出を取り入れて、サービスの質を高めたいと考える店舗や商業施設が増えているのである。

大脇行博氏(写真:山本尚侍)
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 モノに映像を投影するという意味では、スペースプレーヤーはプロジェクターのようなものであり、冒頭に挙げたような演出もPMの一種といえるかもしれない。しかし、スペースプレーヤーを企画した大脇行博氏の答えは「ノー」である。スペースプレーヤーは、PMにはない要素を取り込んでいるからである。それは、「照明」だ。スペースプレーヤーは、照明とプロジェクターの映像投影機能を融合させた、全く新しい商品なのだという。

 照明と映像を融合させるとは、どういうことか。プロジェクターの映像も照明も、光をモノに当てるという意味では似ている。ただし、大きく異なる点がある。それは、光を当てるモノに対する考え方だ。プロジェクターでは、映像が主役であって、モノは映像を表示するための媒介、脇役にすぎない。照明は逆だ。照明の場合は、モノが主役である。モノを際立たせるために、光を当てているのだ。

 スペースプレーヤーでは、両立に挑んだ。つまり、プロジェクターの映像投影機能と照明を融合させることで、映像もモノも生かすというのが、スペースプレーヤーの商品コンセプトである。

 先に挙げた結婚披露宴の例でいえば、さまざまなドレスの映像を新婦に投影した結果、ドレスの映像ばかりが目立って肝心の新婦が脇役になってしまっては本末転倒だ。かといって、映像の品質が悪いと、そもそも何をやっているのか分かりにくい。映像とモノを両立させてこそ、新たな価値を生み出せるのである。照明の要素を取り込んだことから、こうした演出方法をパナソニックでは「プロジェクションライティング」と呼んでいる。