第3回を迎えた、会社を辞めちゃったおじさんたちによる「やさぐれ放談」。瀬川秀樹氏と、長岐祐宏氏の対話は、自身のサラリーマン生活や、会社を辞めた理由、辞めたから見えてきた風景から広がり、これから2人が新しく取り組んでいくことや、現代の若者論につながっていく。個人として事業を手掛けていく瀬川氏と、新会社でビジネスを始めた長岐氏が考える事業は、その形こそ違うが、ゴールは日本の課題解決という同じ方向を向いている。

長岐 僕はね、「新規事業」という言葉を使わない方がいいと思うんだ。「創造事業」と呼んだ方がいいですよ。

瀬川 創造事業? あまり使わない言葉だけど、どんな定義なの。

長岐 新規事業って、大手企業の中では「既存事業を何パーセント成長させる」という意味、つまり従来の延長線上にある事業にしか使われなくなっていると思うんです。

瀬川 なるほど。つまり、ゼロベースで始める事業は「創造事業」と呼んだ方がいいと。

長岐 僕は前職で、ずっと新規事業を担当していました。そのときもよく言っていたんですけれど、「新規」の意味は「ウチの会社にとって新しい」ということでした、結局。世の中全般で「新規」かと言えば、全然そんなことはない。

瀬川 話題は、会社をやめて独立することではなく、大企業の中に戻っているわけね。

長岐 ええ。ゼロから何かを創造する力が弱くなっていませんか。

瀬川 それって、一般論? それとも自分の話?

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長岐 両方ですよ。以前は、大手企業でも「量産するかどうかは分からないけれど、ちょっと作ってみて映画にでも出してみたら面白いじゃない」と考えて、上司に怒られてもやってみようという話がたくさんあった。今、いないじゃない。そういう発想をすること自体を許さない。投資もしない。

瀬川 まあ、大手は絶対にそうだと諦めてしまう考え方にも問題があると思うけど。ただ、ベンチャー企業の世界では挑戦するところがたくさん出てくることは事実だよね。

長岐 そうです。30代から40代前半くらいの人たちが起業して創造ビジネスを頑張っています。能力も高い。その創造事業のアイデアやビジョンを投資対象にできたら面白いと思っているんです。インターネット上で複数のベンチャー企業のアイデアをまとめたファンドを構築して、そこに投資できるような場ですね。僕が始めようと思っている事業の一つでもあります。

瀬川 それは、面白いね。そこに資金を出す人は、これまでとは違う分野だったりするのかな。