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 これらの内容の中には、ややアグレッシブな予想も含まれます。一般的に考えれば、「10年以上はかかる」と見る向きが多いものもあるでしょう。ただし、近年は、明らかに技術進化のスピードが上がっています。一因には、製造業における昨今の技術開発がさながら異種格闘技戦の様相を呈していることがあります。例えば、自動運転車の開発には従来の自動車メーカーのみならず、IT業界の雄である米Google社なども参戦しています。一方、3Dプリンティングを含むAdditive Manufacturing(AM:付加造形)については、Stratasys社や3D Systems社などの先行企業に対して、大手プリンターメーカーであるキヤノン、リコー、米Hewlett-Packard社が続々と参入する構図ができつつあります。 つまり、今後は世界を舞台に老舗企業と新興企業がせめぎ合いながら、これまでを大きく上回るペースで技術進化が進んでいくわけです。その結果、今後10年もすれば、現在では絵空事と思われることのいくつかがあっさり実現されていくとみられます。その前提の下で、今後の製造業が向かう先の指針となることを目指したのが今回の特集1です。担当者である中山副編集長、吉田副編集長、木崎編集委員も、リニューアル記念号の特集1とあって、いつも以上に気合いを入れて記事を執筆しました。

 もう1つご紹介したいのが、特集2「トヨタと日産のベトナム拠点に学ぶ 新興国での生産・開発の勘所」です。著しい発展を続けるベトナムは、高い経済成長率と、人件費の低い、勤勉で豊富な人材が大きな魅力です。とりわけ、モータリゼーションの本格化が目前に迫っていることから、自動車関連メーカーが大きな期待をベトナムに寄せています。しかし、ベトナムの工業化の歴史はまだ浅いことは否めません。それ故に、ベトナムでものづくりを行うには注意すべき課題もあります。そこで、本特集2では、既に同国に進出して実績を出しているトヨタ自動車のベトナム工場と日産テクノベトナム社の事例から、新興国における生産・開発の勘所を示しました。ベトナム現地取材を敢行した近岡副編集長ならではの鋭い視点が入った内容に仕上がりました。特集1ともどもご期待ください。