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 前回の「オートバイと餃子の『出合い』」では、元々自動車部品メーカーだった東亜工業が、オートバイの部品製造技術を生かして、餃子機器メーカーへ転身したことを紹介した。餃子機器のマーケットを開拓した同社の事業領域は、共通仕様の餃子機器の開発・製造・販売に留まらない。オーダーメードの餃子機器の開発・製造・販売や直営の焼き餃子店による餃子の製造・販売など、ものづくりだけではなく、餃子文化の振興にも貢献している。今回は、東亜工業のものづくりではなく、東亜工業の文化づくりを紹介する。

オーダーメードの餃子機器

 筆者は当初、家電製品や一般厨房機器と同じように、餃子機器はメーカーから買って使うだけだと思っていた。そのため、東亜工業社長の請井正さんからオーダーメードで製造と販売をしているとうかがったとき、とても意外だった。以下は、東亜工業が顧客の要望に沿った最適設計を実施するための手順だ(詳細は同社のホームページを参照)。

(1)要望のヒアリング
まずは電話で餃子製造機に対する要望をヒアリングする
(2)打ち合わせの実施とデモ機の提供
顧客を訪問し、詳細な打ち合わせを実施。顧客のところに実際にデモ機を持ち込み、顧客の具と皮を使って餃子を作り、味や食感、機械の性能や使い勝手などを確認してもらう(デモは無料。ただし、工場向向け量産モデルのデモ機や海外顧客は東亜工業本社での対応となる)
(3)仕様の検討
顧客の皮の厚さや具の重さ、その他の要望に基づき、仕様書を作成する。合わせて見積もりの確認を実施する
(4)契約、製作開始
まず餃子の味や食感を決めるパレットの型を試作する。必要に応じてサンプル餃子を10~20個ほど作り、顧客に確認してもらう
(5)納品
顧客のところに営業と技術が納品にうかがい、餃子製造機の使い方を説明する。正しく稼働するまで責任をもって見守る
(6)アフターサービス
過去に販売した仕様データを全て保管し、製造メーカーならではの豊富な在庫で万一の故障に備える。機械のグレードアップや周辺設備の相談にも対応。工場ではメンテナンス研修も実施

 つまり、東亜工業では、単に共通仕様の完成品を販売するだけでなく、必要に応じてオーダーメードの機器を提供することで顧客の要望を満たす。仕様決定から納品まで1~2カ月かかるが、これにより最適な餃子を作るためのサービスを提供できるようになった。