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 そこで、倉田氏は戦略を転換した。復興のために海外からカンボジアを訪れた国際機関や政府機関、NGOの関係者、大企業の駐在員などに売り込むことで、評判を確立したのである。カンボジアのコショウは再び世界で知られるようになり、同氏の後を追って現地でコショウを生産する企業も増えてきた。

 現在、倉田氏は品質に加えて新たに得たブランド力を武器に、日本をはじめとする先進国での販売に再び挑もうとしている。これまでの経緯とこれからの戦略を同氏に聞いた。(聞き手は、高野 敦=リアル開発会議)

──品質は優れているのに、なぜ当初は日本で売れなかったのか。

倉田浩伸氏。クラタペッパー代表(写真:上野英和)

倉田 初めは、良いコショウさえ作っていれば、売れるだろうと思っていた。ところが、全く売れないので困ってしまった。

 最大の要因は、カンボジアという国への先入観だ。「カンボジア製だから安いだろう」という思い込みが間違いなくある。クラタペッパーのコショウは、品質を高めるために労力やコストを掛けているので、どうしてもそれなりの価格になってしまう。そういった理由をいくら説明しても、相手にしてもらえない。「ふざけているのか」と怒られたこともあった。品質が高いことを自分が言うだけでは、信用されないことを痛感した。