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──日本での販売も増やそうとしている。どういう戦略で挑むのか。

倉田 品質が高いという評判は確立したが、それだけで日本でも売れるようになるとは思っていない。私は、文化という視点が大事だと思っている。

 例えば、日本でワインがここまで普及したのは、楽しみ方という“コンテンツ”も一緒に広めたからだろう。「この食事には、あのワインが合う」「このグラスはワインの味を一層引き立てる」といった具合に、単にお酒としてではなく文化として消費している。だからこそ、瞬間的なブームで終わることなく定着したのである。ワインだけではなく、コーヒーなどもそうだ。

 我々は、“黒”と“白”しかなかったコショウの世界に、甘みがある「完熟コショウ」という新しい楽しみ方を持ち込んだ。果肉自体に甘みがあって、普通のコショウとは全く違う。コショウといえば、これまでは香りや辛さばかりが注目されていたが、そこに甘さという新たな評価軸を持ち込んだ。

左は一般的な黒コショウ、右は甘みが特徴的な完熟コショウ(写真:クラタペッパー)
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 完熟コショウは我々のオリジナルだが、現地には他にもさまざまなコショウの食べ方や調理法がある。こうした日本ではほとんど知られていないものを、食文化ごと提案するという姿勢でやっていきたい。

くらた・ひろのぶ●1969年生まれ。1994年にクラタペッパーの前身となる会社をカンボジアのプノンペンに設立、当時はコショウの他にもドリアンやヤシの実などについて輸出を検討した。1997年、コッコン州スラエアンバル地区に自社経営のコショウ農園を開拓。2002年に自社農園での本格的な収穫が可能になり、2004年にカンボジア国内での販売を開始した。2006年に現在の商号に変更。以降、日本をはじめとする世界各国への輸出を順次進めている。(写真:上野英和)
この記事は『リアル開発会議 2014 Autumn/Winter』のコラム:「ひょんころビジネス」を基に再構成しました。