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 今回は、スマートフォン(スマホ)の波及効果について私見を述べたい。スマートフォンが世界的に普及していることで、活用できるアプリケーションソフトウエア(アプリ)やサービスも急速に増え、我々の日常生活にも大きな影響を及ぼしている。これは周知の通りだが、この状況をビジネスチャンスにつなげるには何に着目し、どう動くべきなのか。実は、現在起こっている社会現象の中にこそ、そのヒントは隠されているのではないか。

 スマホの世界出荷台数は2013年に10億台を突破。2014年は13億台を超えた。これはフィーチャーフォン(ガラケー)を含む携帯電話機全体の出荷台数の76.5%に当たり、2015年の出荷台数は15億台(同83.5%)を超えると予測されている。早い段階でスマホに切り替えた読者から見れば、「ガラケーもまだそんなに出荷されているのか」と思われるかもしれない。だが、携帯電話機出荷台数でスマホが過半に達したのは2013年。実はつい最近だ。

 国内のあるインタビュー調査によれば、1日のスマホ平均使用時間は2時間を超えているという。女子高生ではなんと平均7時間、中には15時間以上との回答もあったそうだ。こうなると日常生活に影響を及ぼすというレベルは超え、「日常生活そのもの」である。

 「LINE」やネット検索に限らず、ゲームで遊んだり、新聞や本、漫画を読んだり、音楽を聴いたり…といった形でアプリやサービスが急増していることを考えれば、平均使用時間は今後も増え続けるだろう。筆者はといえば、「新聞も本も紙」という古典的なスタイルを保っている。ゲームなどの娯楽アプリもほとんど使わないので、1日のスマホ使用時間は平均を大きく下回る。

 それでも、パソコンをどこへ持ち出してもスマホさえあればネットにつながる、という恩恵にあずかっているのは事実。娯楽にも仕事にも使える守備範囲の広さには敬服する。

 この守備範囲の広さは、電子機器市場に大きな影響を与えてきた。デジタルカメラや携帯型音楽プレーヤー、ゲーム機、ポータブルナビなどの機器市場は、スマホの台頭とともに減少の一途をたどっている。こうした小型で高性能な機器は日本メーカーのお家芸なのだが、その活躍の場が侵食されているわけである。

 ガラケー市場で存在感を放っていた部品メーカーも同様の運命だ。例えば、ガラケーに必須の「高機能ヒンジ」。折り畳み時の開閉を円滑にするバネのような部品である。トップシェアを誇っていたある日本企業は、ガラケーの減退とともに業績が悪化し、事業譲渡を余儀なくされた。