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 もし、核融合発電や高温超伝導が実用化したら、技術開発の世界はどうなるのか。現在の巨大なコンピューティングパワーでも扱えない自然界の複雑系の世界とどう向き合うか。そうした今は突拍子もないように見える未来のトレンドは、技術の将来像を見通すうえでは欠かせない要素だ。
 今後10年超にわたるICTやエレクトロニクス業界の長期トレンドを予測したレポート『メガトレンド 2015-2024 ICT・エレクトロニクス編』(日経BP社)の著者である川口盛之助氏と山本一郎氏が、これから拡大する市場や、企業・技術者の在り方を語り合う対談の第2回。メガトレンドを分析する2人の奇才が見通す未来とは。

(司会は、今井拓司=日経エレクトロニクス編集長)

今井 最近、日経エレクトロニクスでは、核融合発電についての特集を掲載しました(特集記事は、こちら)。そういう夢の技術系って、どう思います?

川口 できると思う? 本当にできたら、ケタが違うよね。ちゃぶ台返しっていうかさ。あまりにもケタが違うので、未来を予測しようがないよ。

山本 超ブレークスルーです。

今井 そうですよね。本当に実用化したら。

投資家/ブロガー/経済ジャーナリストの山本一郎氏(左)、盛之助 代表取締役社長の川口盛之助氏(右)(写真:加藤 康)
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川口 昔から言われているウルトラ発明なので、いつやってくるか分からない。

山本 例えば、投資家として何か技術投資をするとしますよね。ある大学である技術が開発された。それに投資する際には「その技術を何に使うんだ」という話になります。

 技術単体で製品化まで漕ぎ着けられることは少ない。そういう場合は、当たり前ですが製品化するためにだいたいほかの技術と組み合わせるんですよ。世の中に存在する「ある体系」の技術に基づく製品群を、その大学の新技術で置き換えられるだろうかという検討をするんです。

 例えば、エンジンの推力を高められる技術が開発されたとしましょう。その技術を何かの制御系に組み込んだときに、ほかの技術によって成立しているギアの部分で変換効率が悪くなる。では、そのギアの構造を工夫して新技術の開発を行い、エネルギーロスを減らしましょう。こういうような検討ですね。「少ないエネルギーでよりよいパフォーマンスを引き出すため」という方向で、現在は技術評価がされることが多いわけです、電池しかり、動力しかり。

 この議論は「エネルギーは有限だ」というコスト意識が前提になっている。でも、核融合ができたら、こういう議論は全くいらなくなるわけですよ。

川口 全部、ガラガラポンだよね。いらないね(笑)。