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蓄冷材の保冷機能によって、停電時にも保冷できる「蓄冷冷蔵庫」。写真は、2014年6月にシャープが開催した「新規事業分野の取り組みに関する説明会」で撮影した。
蓄冷材の保冷機能によって、停電時にも保冷できる「蓄冷冷蔵庫」。写真は、2014年6月にシャープが開催した「新規事業分野の取り組みに関する説明会」で撮影した。
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 本欄で筆者が前回シャープの液晶事業について書いてから、約1カ月が過ぎた(2015年1月26日公開の記事)。シャープの赤字転落の見通しを伝える報道が相次いだ時期に執筆したが、その後、2月3日に同社は、2015年3月期通期の連結最終損益が300億円の赤字になる見通しであることを発表した(従来予想は300億円の黒字)。同社の屋台骨を支える液晶事業の業績悪化の影響は大きい。同社は2015年3月期の同事業の営業利益を、従来予想の550億円から400億円に引き下げた。

 2月25日には、シャープが液晶ディスプレー「IGZO」の登録商標を無効とした特許庁の審決を不服として、同社が取り消しを求めた訴訟で、知的財産高裁が請求を棄却する判決を言い渡した。直接的な事業への影響は小さいと見られているが、同社のイメージ低下が懸念される。

 シャープ、特に液晶事業に対する逆風が続く中で、筆者が飛躍を期待している同社の“液晶技術”がある。2014年7月にインドネシア市場向けに発表した「蓄冷冷蔵庫」だ。蓄冷材の保冷機能によって、停電時にも食材を保冷できるのが特徴である。

 なぜ、冷蔵庫で液晶技術なのか。実は、蓄冷材の開発に、液晶材料の技術が生きているのだ。液晶材料は、多種多様な液晶性を持つ有機材料を的確に混合することで、ディスプレー表示に適した特性を実現している。混合する材料の選択や混合の比率によって、特性はがらりと変わる。