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 2015年1月19日付の日本経済新聞朝刊に、シャープが2015年3月期に再び連結最終赤字に転落する見通しだという記事が掲載された。シャープはこの報道について、当初言明を避けていたが、それから約2週間後の2月3日、第3四半期の決算発表の場で正式に業績予想の下方修正を発表した。そこで発表された内容は、連結当期純利益が300億円の赤字になるというものだ(シャープのリリース:PDF)。

 今回は、この業績下方修正の内容をあらためて分析してみたい。

個別の売上高は全面ダウン、調整額の上方修正で相殺

 2月3日に発表された下方修正は、2014年10月31日に発表された前回の業績予測からの下方修正だ。シャープの発表によれば、売上高は前回予測の2兆9000億円のままに据え置くが、営業利益は1000億円から500億円へマイナス500億円、当期純利益は300億円から300億円の赤字へとマイナス600億円も下方修正するという。

 しかし、前回の2014年10月31日の業績予測も、前事業年度の決算発表をした2014年5月12日時点の次年度業績予測を下方修正したものだ。前年度末の決算発表から見ると、今回は2度目の下方修正ということになる。そのことだけでもシャープの苦境が伺えるし、見通しが甘いとも言える。

 今回の修正では売上高は前回の予測から据え置くと言っているが、2014年10月31日の時点で既に前年度末から1000億円の下方修正をしている。さらに、事業別に見れば今回も10月31日時点の予測から多くの事業で売上高は下方修正となっている。

 シャープの事業セグメントは図1のように分かれている。この事業セグメントごとに2015年3月期の売上高予測の修正額を分析したのが図2である。ここでは、2014年5月12日時点の次年度業績予想に対して、2度の修正がどのように行われたのかを分析している。

図1●シャープの事業セグメント
図1●シャープの事業セグメント
作成:ブライトワイズコンサルティング(以下同)
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図2●2015年3月期の売上高予測
図2●2015年3月期の売上高予測
(注)各売上高には内部取引を含む。「調整額」は内部取引分の調整額
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 図2から分かるように、2月3日の業績予測修正においても、ビジネスソリューションと電子デバイス以外は売上高が下方修正となっている。それらが、「調整額」の上方修正によって相殺される格好となっている。

 調整額とは、事業部間の売買に伴う売上高を消去するものだ。事業部間の売買は会社内部の取引なので、会社全体の対外的な売上高を計算する際には消去する必要がある。それが上方修正になっているということは、消去すべき内部売上高が減少したということだ。つまり、事業間での売買も減少したということを意味する。

 要するに、シャープの製品はほぼ全面的に「売れていない」ということである。これが利益減少の単純にして深刻な1つ目の理由である。