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写真1●東京大学COI「自分で守る健康社会」副機構長・研究リーダーの鄭雄一教授

文部科学省と傘下の科学技術振興機構(JST)が主導する「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の研究開発プロジェクトが動き始めている。これまでにも数多く取り組まれてきた、いわゆる「医工、産学官連携プロジェクト」と今回の東大COIとは何が違うのか?「やりたいのは、オープンイノベーションのプラットフォームをきちんと作ること」と述べるのは、東京大学・COI副機構長で研究リーダーの鄭雄一教授である(写真1)。同学は、「自分で守る健康社会」COI拠点として、「健康長寿ループ」の構築と「自分で守る健康社会」の実現を目指している(図1)。

図1●東京大学COIがビジョンとする「健康長寿ループ」と「自分で守る健康社会」
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 文科省とJSTが「革新的イノベーション創出プログラム」(通称:COI STREAM)に関する発表を行ったのは、2012年10月である。その後、COI STREAMの主要な構成要素施策であるCOIプログラムの公募を実施し、190件の応募の中から東京大学を含む12件のCOI拠点を採択した(図2)。

図2●文部科学省が採択した12カ所のCOI拠点
(赤枠は東大2拠点のうち今回紹介するCOI拠点)
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 COIプログラムにおける文科省のスタンスは、「10年後、どのように社会が変わるべきか、人が変わるべきか、その目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援する」というものである。ここでいうビジョンには次の3つがある:ビジョン1「少子高齢化先進国としての持続性確保」⇒Happinessの実現、ビジョン2「豊かな生活環境の構築(繁栄し、尊敬される国へ)」⇒革新的思考方法、ビジョン3「活気ある持続可能な社会の構築」⇒数世紀まちづくり。

 東京大学は、ビジョン1とビジョン3でCOI拠点として採択されており、「自分で守る健康社会」COIは、ビジョン1に合致するものである。このビジョンを実現するためにカギとなる研究開発テーマとして本COIでが「三本の⽮」としてまず取り組もうとしているのは、(1)低侵襲診断・治療技術(低侵襲治療を外来で可能とする診断治療一体型小型デバイスや家庭で健康状態を計測できる健康モニターデバイス)、(2)低コスト創薬技術(ジェネリックを含む医薬品を低コスト、高品質、高効率で製造する技術基盤の構築)、(3)健康・医療データベースの構築とその活用(健康増進、疾病予防、予後管理等)、を挙げている。