しかし、組み込みソフトウエア(以下、ソフト)については、なかなかコンサルティングの機会がなかった。MDの基本は「将来の製品全体を最小公倍数的に包含した、モジュール化された標準をつくり、個別製品は標準の中から適切な部分を引き抜いて設計する」ことである。ソフトも同様の考えでアプローチすれば、ソフトの標準を構築し、個別製品のソフトはその中から適切なソフトを引き抜いて設計する手順書が作成できるはずである。

 近年、ある製品でソフトのモジュール化の機会を得て、プログラム(PRG)設計の期間を劇的に短縮した事例があったので、以下の図にその概要を紹介する。吹き出しが標準ソフトを作成する順番であり、標準ソフトが出来れば、個別製品用のソフトの設計手順は次のようになる。

(1)左上の過去案件の代わりに新規案件を置く
(2)ソフト(図ではSW)要件の中から該当する項目を抜き出す
(3)抜き出したSW要件に対応するSW機能系統図を抜き出す
(4)抜き出したSW機能系統図に対応するPRG構成を抜き出す
(5)「変動」のPRGは「変動ルール」に従ってPRGを変更する(「変動」も一種の標準である)

組み込みソフトウエアにおける標準ソフトの作成手順
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 後から知ったのだが、このアプローチ法は15年ぐらい前にSPL(Software Product Line)という考え方で確立されており、これはSPLを具体的なソフトで実施した事例だった。