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ウエアラブル機器を見直す

 取材したイベントに話を戻そう。いずれのイベントも、今年はIoT(Internet of things)を重要なテーマの1つとして掲げていた。そのIoTに関連する電子機器として、最近ホットなのがウエアラブル機器である。今のところ、スマートウオッチやスマートグラス、スマートバンドがその代表例と言える。

 実は、自分はウエアラブル機器に個人的な興味はなかった。どちらかというと、着けたくない派である。携帯電話機やスマートフォンを持ち歩くようになってから、腕時計もしなくなったくらいだ。ところが、それを見直す出来事が、今回の出張中に起こった。欧州の道によくある石畳のちょっとした段差でつまずき、不覚にも足首を捻挫してしまった。

 参加したイベントの1つでは、「スマートソックス」なるものが紹介されていた。足の状態をモニターするそうである。別のイベントでは、転倒防止に向けて開発途上のウエアラブル機器の発表もあった。ご存じのように、転倒事故は寝たきりにつながる恐れがある。自分が負った捻挫は徐々に回復してきているが、将来はウエアラブル機器のお世話になった方が良いのかと考えるようになった。

便利とは違う

 ここまで書いて、ある煩悩が頭をよぎった。人工知能を搭載して周辺の状況などから適切なアドバイスをしてくれるウエアラブル機器が開発されたとしよう。その機器を着けているときに、とても素敵な異性に出会った。機器は「この人とは90%の確率でうまくいきません」とアドバイスする。あなたならどうしますか。

 え、自分ですか。「10%の確率でうまくいくんだ。るんるん」でしょう。なぜかって。便利と幸せは、そもそも尺度が違うから。