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 日本語と中国語には、同じ漢字を使って同じ意味になる言葉と、全く違う意味になる言葉がある、ということについては、中国語ができない読者でも聞いたり見たりしたことがあるのではないかと思う。

 よく例として出されるのは「手紙」で、中国語ではトイレットペーパーのことを指すため、「手紙をください」と伝えるつもりで「請給我手紙」などと言ったり書いたりすると相手に怪訝に思われてしまうので注意、などということが、ガイドブックなどにはよく書いてある。ちなみに中国語で手紙は「信」で、お手紙くださいね、は「請給我写信」となる。ただ、トイレットペーパーも手紙ではなく、最近では「衛生紙」を使うことが多い。

 この他、「汽車」は列車のことではなくクルマ、「老婆」はおばあさんではなく妻、「湯」はお湯のことではなくスープのこと、と挙げていけば枚挙にいとまがない。

 一方で、同じ漢字で同じ意味になるものでは、「記者」「健康」「学生」など、これも挙げていけばキリがない。

 いきなり中国語の講釈を始めたのには理由がある。2015年上半期のエレクトロニクス業界で最も注目される製品の一つになるのは間違いない米Apple社のスマートウオッチ「Apple Watch」の製造を巡るあるうわさを、台湾メディアが「破天荒」という、同じ漢字で日本語と同じ意味になる言葉を用いて報じたのだ()。

図●米Apple社のスマートウオッチ「Apple Watch」
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 「大辞林」によると、破天荒は「今までだれもしたことのないことをする・こと(さま)。未曾有。前代未聞」とある。中国語でも同じ意味だ。ではいったい何が破天荒なのか。順を追って説明しよう。