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 日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年3月4日~3月20日にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。

アクセス記事ランキング(3/4~3/20)
デバイス
1 ソニーの有機EL「スカウター」、まずはスポーツ分野から攻める
2 「レーザー照明時代は目前」、中村氏が緊急寄稿
3 日本のノーベル賞報道はおかしい、中村氏が6000人の前で異議
4 「すべてはInGaNから始まった」、中村氏が緊急寄稿
5 Z-80とMCS6502は複雑 vs. シンプル、対照的な2つのアプローチ
6 生まれ変わるUSB、Appleのための規格に
7 【東芝はなぜ勝ち組になれたのか】勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
8 8ビットPC全盛期へ、海外ではビジネス用途も
9 勃興するUSB Type-C、さらばサンダーボルト
10 【東芝はなぜ勝ち組になれたのか】幸運を逃さず、つかみ取ることができた力の本質は何か
11 中国から見た、ディスプレー10大ニュース
12 CMOSイメージセンサーは新たな成長段階へ、産業構造変化がCAGR10.6%成長を後押し
13 逆風下のシャープで光を放つ、期待したい“液晶技術”
14 第42回 ワイヤレス・のおとメディア小論(1)
15 Qualcomm打倒へMediaTek動く、Intelもスマホ市場に本格参戦
16 “見えない”人感センサー、ロームが照明器具に
17 ニアー・メモリー・コンピューティングに出番、IBMチューリッヒ研究所が講演
18 3D IC製造に新たなトレンド、ミドルエンド工程に向け製造装置メーカーが“攻める”
19 「Qualcommと真っ向勝負へ」、MediaTekのPresidentが意気込みを語る
20 【第1部:全体像】“携帯から装着”で新境地へ、非電子メーカーの発想に期待

 1位になったのは、ソニーが開発した、有機ELパネル採用のヘッドマウントディスプレー(HMD)の応用製品の記事である。このHMDを搭載したランニング用グラス「SCOUTER」をミズノが開発した。ミズノは2015年度内の発売を目標として安全性を検証する。

 ソニーのHMDは、2015年1月に開催された家電業界の展示会「CES 2015」で初めて公開されたものである。当初から、スポーツなど、主に軽さや防水性を求める用途を想定していた。CESのソニーブースでは、ゴルフやテニスなどでの利用を想定した情報提示のデモを見せた。

 今回のミズノのランニング用グラスでの採用は、ソニーの狙い通りと言える。このHMDの特徴は、有機ELパネルの採用などによって、1万対1の高いコントラスト比や、屋外での使用に必要とされる輝度(最大800cd/m2)を実現したことである。

次はレーザー照明

 2位~4位はいずれも、2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏に関連する記事だった。受賞直後の「電子デバイス系サイト」のランキングでは、上位20本の記事のうち12本が青色LED関連の記事になった(日経テクノロジーオンライン関連記事)。同氏関係の記事による賑わいが再来した。

 今回の2位と4位になった記事はどちらも同氏の寄稿記事である。2位の記事のタイトルは、『「レーザー照明時代は目前」、中村氏が緊急寄稿』。4位は『「すべてはInGaNから始まった」、中村氏が緊急寄稿』である。

 同氏は、現在、半導体レーザーを用いた照明の研究開発に力を入れている。青色LEDと蛍光体を組み合わせた一般的な白色LEDに比べて、高輝度かつ高効率な照明を実現できるからだという。青色LEDには「droop(ドループ)」という問題があり、高輝度になるほど効率を高めにくい。

 droopは、発光強度を高めるために駆動電流の密度を上げると、発光効率が低下してくる現象をいう。これに対して、「半導体レーザーであればLEDに比べて1000倍近い電流密度にしても、発光効率への影響はほとんどない」と同氏は説明している。一度発振してしまえば、理論的には効率を100%近くにできるという。

 現在は、レーザー照明はLED照明より高価だが、同氏によれば、将来は安価にできるとする。「半導体レーザーは電流密度を高められるので、LEDと同じ明るさを得るのにより小さなチップで済むからである」(同氏)。小さいチップほど1枚のウエハーから取れるチップ数が増えるので、生産性が高まり、コスト削減を見込めるとする。

 2つの寄稿記事の間の3位に入ったのが、中村氏らが第62回応用物理学会春季学術講演会(2015年3月13日)に登壇した際の記事である。この記事のタイトルは、『日本のノーベル賞報道はおかしい、中村氏が6000人の前で異議』。同氏は、今回のノーベル物理学賞受賞に関する日本での報道に、疑問を呈した。

 「日本のテレビや新聞、雑誌などは、そのほとんどが『赤崎氏と天野氏が青色LEDを開発し、中村氏が量産化に成功した』と報じており、非常に残念に思う」と同氏は語った。加えて、日本の論文誌や専門誌の中にも「中村は量産だけ」と読める文章が散見されることを指摘。応用物理学会に参加している研究者や技術者など、いわゆる「専門家」にも注意を促した。