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 とにかく自動車関連の仕事を獲得しようと、決死の思いで試算した初めての価格設定は「弊社の想定の3倍ですね」と一蹴されてしまいました。それでもめげずに、何度も清水の舞台から飛び降りる覚悟をし、飛び降り、失敗を繰り返しています。

 トヨタの要求が厳しい以外に、東北が歴史的に、電機・電子に関連する事業を生業とする企業が多いという地域的な背景があるようです。詳しい内容は「日経Automotive」の5月号で報告できればと思いますが、一言で表現してしまうと“文化の違い”。自動車と電機、育ってきた環境の違いが、コストだけでなく、品質や安定供給など、さまざまな場面で表面化しているといった状況です。

 それでも、東北での部品の現地調達を強化したいトヨタと自動車市場に参入したい地場メーカー、両者の想いは方向性としては一致しています。トヨタ自動車東日本の担当者は「地場メーカーの皆さんと意思疎通を図り、一緒に研鑽していきたい」と語ります。

 「まだまだ飛びますよ」

 先述の部品メーカーの社長は、力強く宣言してくれました。

宮城県大衡村に本社と工場を構えるトヨタ自動車東日本。広大な敷地の一角には、「やる気 根気 元気 勇気 宮城・東北」と書かれた看板を掲げていた。