木下 自分でも、よく分かっていないところはあるんですけど…。大学院は、もう少しで修了なんです。今年の3月で。(対談は2月下旬に実施した)

木下 紫乃(きのした・しの)
ベンチャー系人材育成会社で営業マネジャーとして、大手企業を中心に 100社以上の様々な企業研修の設計、運営を手がける。主に得意分野は次世代経営者育成プログラムの設計や、ダイバーシティ推進、女性活躍促進推進施策の設計。会った人事担当者は500人以上。2013年同社を退社し、慶應メディアデザイン研究科へ入学。女性がもっと活躍する社会、新らしい働き方、新しい教育について研究。現在は昭和女子大学が昨年度よりスタートした、社会人女性向けビジネススクールの設計に参画しながら、様々な領域や世代の人たちを繋ぐ様々な活動に参画中。新しい働き方、生き方を自分で実験的に実践したいと日々考える。(写真:花井 智子)
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 以前は、大企業向けの社員研修を設計する会社にいました。企業向けのリーダー育成研修を手掛けていたんです。ただ、その仕事をする中で、もやもやとするところがあって。

 例えば、企業の次世代リーダー研修では、同じような価値観を持つ30~40代の社員が集まります。そのほとんどは男性のプロパー社員。リーダー候補として人事部に選抜された人たちが、「面白いこと言っているね」と上司に思われるような範囲で予定調和的な新規事業提案などを研修でつくるわけです。人事部としては、あまり突拍子もないことを提案されても困るから。

 一方で、自分自身はマネジャーだったこともあって、もっと世の中を見なければと思い、この4~5年くらいはプロボノでNPO(非営利組織)を手伝ったりしていました。その活動で何か学習できること、あるいは研修設計に生かせることはないかと思ったので。そしたら、それまで自分がいた世界の外ではだいぶ様子が違っていたんです。

瀬川 大企業でやっていたリーダー研修は、だいぶ古い印象だったということですか。

木下 そうですね。それで、全然違う世界から世の中を見たいと思って、慶応義塾大学のメディアデザイン研究科(KMD)に入学したんです。次世代のリーダー育成を、私にとっては未知だった「ものづくり」や「デザイン思考」といった視点で切り取ったらどう見えるかが知りたかった。

瀬川 当時は、「会社に残りながら社会人大学院に行く」というような話をしてたよね。

木下 そうそう。でも、KMDは社会人大学院ではないんです。平日昼間に授業があって、同級生は20代半ばの若者たちという…。KMDの隣に、システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)というのがあって、そっちは社会人向けなんですけど。実は、あまり知らなかったんです(笑)。「会社に勤めながら」と思っていたんですけれど、結局、辞めて大学院生になることを決めました。

長岐 話を伺っていると、向かっている方向がすごく今風というか、センスがあるよね。

木下 どこにも向かっていないかもしれないけど…(笑)。ありがとうございます。うれしいです。

長岐 木下さんのような意識を持つ女性は増えていますよね。男性は、特に年齢が上であるほど、会社に帰属することが美徳という人がまだ多い。

 ところが、ある世代から下の若い人たちは、キャリアは自分で作っていくものだと思い始めています。特に女性の方が敏感にその空気をキャッチしていますよね。男性は、やはり鈍いんだよ。自分もそうだけど。