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 日本ではいよいよ桜が開花し、多くの方がウキウキした気分でお過ごしになられていると思います。桜が咲く時期というのは新学期の始まりに当たります。そこで、日経ものづくりでは2015年4月号で、日本の教育システムのあるべき姿を考える特集を掲載することを決めました。

 まず手始めとして、技術者を中心とした製造業の関係者の方々に、アンケート調査を実施しました。そのうちのいくつかをご紹介します。最初の質問は「企業の技術者を養成するという点で、工学部などの理系教育に対して不満がありますか」です。その答えに我々は驚きました。「不満がある」と回答した方々の割合が全体の約62.6%に達し、「不満がない」という回答は約11.6%しかなかったのです。続いて、「不満がある」と回答した方々に、以下の質問を投げかけました。「理系教育に対する不満はどのようなものですか」。その回答の上位2つを以下に紹介します。第1位は「問題や新しい仕事を自ら見つけ出し、解決する能力の養成が不十分」(69.6%)、第2位は「実技・実習の経験が少ない」(50.2%)でした。

 実はこの上位2つの回答は、我々が取材先の方々から聞いていた、昨今の日本の教育システムが抱える課題とほぼ合致していました。こうした問題意識を持ちつつ、取材を進め、今号で特集1として掲載したのが「こんな工学部は不要」です。担当したのは、製造業を長く見てきた高田デスクと吉田デスクです。やや刺激的なタイトルとなっていますが、取材を通して浮かび上がってきたのが、製造業に携わっておられる方々の、「10年後、20年後に日本から工場やメーカーがなくなってしまわないために、今から優秀な若手技術者を育成しなければならない」という熱い思いと、そうした期待に応えようと、大きく変わり始めた高等専門学校(高専)や大学の姿でした。簡単に言えば、実技・実習の機会を大幅に拡充しつつ、同時に学生の問題解決能力を高めるための教育システムの構築を懸命に進めています。

 もちろん、企業側も学校だけに技術者としての基礎の育成を押し付けているわけではありません。具体的には、研修制度などを拡充することで、若手技術者の問題解決能力などを徹底的に鍛えようとする企業が出てきています。今回の特集1では、大きく変わろうとする日本の教育システムや企業の動きをまとめました。我々も、国内製造業の競争力向上のためにあるべき教育システムの実現に向け、今後も微力ながら後押しをしていきたいと考えております。

 もう1つご紹介したい記事は、特集2「ものづくりドイツの底力・開発編」です。前号(2015年3月号)の特集2「ものづくりドイツの底力・生産編」に続く2部作の後編となります。今号では、産学官の密接な連携などを強みに、斬新な製品開発を進め、世界の製造業において確固とした存在感を示すドイツの開発力の秘密を解き明かします。前号に引き続き、山崎デスクがドイツを現地取材しました。特集1ともども、どうぞご期待ください。