価値に注目することの重要性、価値と実現手段の発想の仕方をつづってきた本連載。前回はアイデア、イノベーションの種を取捨選択するお話をしました。ここまで解説してきたプロセスで見極めたアイデアは、あくまで種でしかなく、これを育てていかなければ、最終的に花を咲かせる(イノベーションを起こす)ことはできません。そして育てるためには、社内では投資と組織、社外では顧客やビジネスパートナーが必要になります。今回は特に投資について論じていきます。

枯れてしまうイノベーションの種

 社内公募やコンペでアイデアを集めて、適正に目利きをし、アイデアを選定できたとしても、一時のイベントとして盛り上がるだけでそれっきりになってしまうといった例は多くの企業で見られます。このようにして枯れてしまったアイデアがみなさんの会社にも眠っているのではないでしょうか? 素晴らしいアイデアがあれば即ヒット商品が生まれる気がしてしまいます。しかし、実際にはそんなことは起こり得ません。せっかく良い種が生まれても、放っておいたら枯れてしまいます。アイデアを育て、次の段階に進めるためには、必ず投資が必要になります。

 一方で、イノベーションを起こすようなアイデアは前例のない未知のものであり、当然既存の事業に比べて失敗リスクが高くなります。その結果、リスクを加味して投資回収の確率を計算し、既存事業と横に並べると「何もやらないのが正解」ということになってしまいます。しかし現在の事業がこの先もずっと安定的に増加・維持できる保証はどこにもありません。どんなビジネスにも寿命があります。企業が永く存続するためにイノベーションへの投資は必須なのです。

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