前回の連載ではイノベーションの種であるアイデアは、適切に育てないとそのまま枯れてしまうこと、育てるためには投資が必要であること、投資は技術だけではなく市場予測に対しても必要であることを述べました。今回は市場を予測し、不確実性を下げる具体的な方法について論じていきます。

市場に対して仮説を立てる

 市場に対して仮説を立てるといっても、「どれだけ売れるか(=売り上げ)」を直接予測するのは非常に難しいことです。しかしながら、売り上げを決定する要素には何があって、それぞれがどの程度の寄与度であるかを分解することができれば、その要素ごとに仮説を立てることができます。そしてそれらを積み上げれば最終的な売り上げも予測することができます。図1に、売り上げがどのような構成要素で成り立つかの一例を図示します。製品やサービスの提供形態によって多少は変わりますが、ほぼ同じ考え方を適用することができます。

図1●売り上げを決定する要素の一例
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 この中で、ターゲットボリュームに着目して、もう少し掘り下げてみます。仮説を立てるといっても、いきなり人数がこのくらいというように、直接数字を入れていくわけではありません。まずは今回の製品・サービスが対象としているターゲット像をはっきりと定めるところから始めます。

 例えば、この製品・サービスを使うのは働いている女性。立ち仕事が多く、お客様と直接対峙することが多い人に喜ばれるのではないか。さらに子供がいる家庭だと…。こういったことを考えていくと、国内でこれに当てはまる女性は何人くらいいるのかという母数の規模が徐々にはっきりしてきます(図2)。このとき、確実な数字と不確実性の高いものを明確に分けておくと、後の検証の際の手がかりとなります。

図2●売上規模を明確にする方法の例
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 他の要素も同じように、競争環境や代替品比較などを考えることによって仮説による数字を決めることができます。

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