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トヨタは特殊か

 私が以前いた会社では、「上長が変われば仕事の仕方も変わる」ことが当然だと思われていました。実は、それが日本に限らず世の中の一般的な状態なのですが、トヨタ自動車だけは特殊でした。日本自体、諸外国に比べれば独特な文化・風土を持つ国ですが、その独特な日本の中でもトヨタ自動車という会社は、他の会社と比べてある意味“ガラパゴス”的に進化したと言えます。

 では、何が進化したのでしょうか? 一言で言うと、マネジメント(人に対する考え方、モノの見方、考え方、経営、組織づくり、指導方法など)が独自の進化を遂げたのです。従って、先の問題解決型の改善技法だけを取り入れてもダメ。会社機構の人事制度や評価制度、経営指標などの制度面も改善していかなければなりません。職場環境だけを改善しても改善の効果は薄くなったり、持続的に定着させることが難しくなったりしてしまいます。

 例えば、稼働率(直接率)が90%以上でないと経営者から指導されるような会社では、生産性を高めるために、従来の仕事の習慣を変えて道具づくりや教育といった改善のために時間を割き始めると、たちまち上司から、「間接率が上がっているので、改善より目の前の仕事をやれ」などと言われてしまいます。結果、改善は進まず、共通の価値観を醸成するために時間(これが結構かかる)も使えず、生産性を向上できないジレンマに陥っているケースが多いことが分かってきました。

 こうした背景があるので、どの会社も時間と費用をかけずに効果が出やすい問題解決型の改善を行うのですが、結果的に「安物買いの銭失い」という状況となり、共通の価値観の醸成までには至らないという会社が多いのです。

 確かにトヨタ自動車は特殊です。しかし、他の会社もトヨタ自動車に学ぶことはできます。どうすればトヨタ自動車以外の会社、特にホワイトカラーの分野でうまく改善ができるのかという問いに対する答えを、技術者塾で分かりやすく解説していきたいと思っています。