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今、FMEAを学ぶ日本メーカーの技術者が増えていると語る國井氏
今、FMEAを学ぶ日本メーカーの技術者が増えていると語る國井氏
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──過去のトラブル対策は、あくまでも基本ですね。

國井氏:過去のトラブル対策は当たり前。これに加えて、トラブルを想像する時代に突入した。これが、例えば米国で発生した「Lexus」のリコール問題になるわけ。フロアマットが干渉してアクセルペダルが戻らず、急加速したというリコールに。Lexusには立派なフロアマットがあるんですが、顧客は高級車を汚したくない。だから、量販店などで安価なフロアマットを買ってきて2重敷きをやったんです。そうしたら、アクセルペダルが引っ掛かって戻らず、時速190kmに加速した。こうなったら、ドライバーはパニックになってしまって、2重敷きが原因だなんて冷静に判断できるわけがないでしょう。結果、一家4人が死亡した。

 でも、トヨタ自動車の歴史には、このトラブルがなかった。だから、過去にないトラブルを想像する必要が生じてきたというわけ。顧客の目線で想定外のトラブルを想定しなければならない時代になったということです。

 つまり、FMEAに過去のトラブルを入れるのは当たり前、それに加えて、トラブルを想像する必要がある。ところが、トラブルを想像できない技術者が多いのです。

 タカタのエアバッグのリコールもそう。金属粉が飛び出してくるというトラブルは過去にない。しかし、それを事前に想像して手を打たなきゃなんない。

 この話を知ってますか? 高齢者向け足マッサージ機のトラブル。足の裏をぐるぐるマッサージする機械で、着ていたジャージが絡まって首が絞まってしまった。

──まさか、足の裏用のマッサージ機に寝るなんて思わないですよね。

國井氏:それは技術者の発想。顧客の気持ちになれば、首や肩が凝っている時には、そこに寝ちゃうわけです。トラブルを想像する時代になってきたんですが、それができない技術者が多いんです。

──ちょっと戻りますが、リコールが増えていてFMEAが再注目されている。そして、多くが学び始めている最中である。でも、それだけでは足りない。とはいえ、過去のトラブルまではFMEAで多くの日本企業が対策しているんですよね?

國井氏:それも、きっぱり分かれます。やっているところは、過去のトラブルに関してはやっている。ところが、FMEAを全く使っていないところもある。

──FMEAを使っていないところというのは…。

國井氏:まあ、脳天気なところでしょうね。