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製品設計と生産技術のシナジー[1]:生産設備のモジュール化

 前回は、大手向けのプロセス改革ソリューションがなぜ部品メーカーに通用しないかを説明した。それを打開するための方法は、設計と生産技術のシナジー効果を引き出すことにある、と筆者は考える。

 その「製品設計と生産技術の“シナジー”」が創出可能なテーマとして、生産設備のモジュール化を挙げてみたい。

 生産設備のモジュール化については、工作機械メーカーなどの設備メーカーでもモジュール化を推進しているのと同様、生産技術部門の単独テーマとして検討し、生産性向上やリードタイム短縮に貢献できる。

 金型に代表される生産設備は、部品点数が多いアセンブリ製品である。したがって、部品(例えば成形品)の変動部分に対して生産設備(例えば金型)の変動部分を特定できるようにし、部品タイプに応じてモジュール化を進めておけば、再利用できる部分を増やすことができる。生産設備のモジュール化は、設計・製造リードタイムを短縮するための有効な手法だ。

 ただし、工程設計や設備開発を社内で実施する部品メーカーの場合、市場ニーズの多様化、仕様バリエーションの増加は、工程や設備のバリエーション増大に直結する。図1はそれを表現したものであるが、部品バリエーション増加に対して、対策を講じず、個別対応していると、指数関数的に工程・設備のバリエーションが増殖することを示している。よって、部品メーカーでは、多様化する仕様や部品と工程や設備の対応関係の管理や、部品だけでなく工程や設備まで含めた共通化設計が重要となるのだ。

図1●市場ニーズの多様化と製造工程の増大
図1●市場ニーズの多様化と製造工程の増大
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 表1は、部品と工程・設備の関係管理を縦横のマトリックスで示したものである。例えば、部品Aの設計変更は、工程1の設備Xと工程3の設備Yに影響があることを示す。また、逆に工程3設備Yの変更は、部品A、B、Dに影響が出るというわけだ。

表1●部品と工程・設備の関係
工程1工程2工程3工程4工程5工程6
設備X設備Y設備Z
部品A
部品B
部品C
部品D

 このような対応関係を管理しておくと、部品Aの派生設計や設計変更の際に、工程や生産設備へのインパクトの推測が可能になる。また、インパクトを最小化するためには、仕様、部品設計、工程設計、設備開発のどこで調整すれば最適解になるのかを検討できるようになるのだ。

 これは、自動車メーカーや大手電機メーカーにとってのモジュラー設計の思想、すなわち市場ニーズや仕様バリエーションへ対応しつつ部品や工程、設備種類の最小化を同時に実現させることと、何ら変わるところがない。製品バリエーションの拡大と工程・生産設備種類の削減、これは部品メーカーが部門横断で対応すべき改革テーマであろう。