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 就職活動のピークの時期になりました。技術や事業が急速に変わる時代、就職した会社だけでなく業界自体があっという間に淘汰されることも珍しくありません。そんな不安定な時代だからこそ、できるだけ安定しているように見える大企業に入社したいと思う気持ちも理解できます。

 大企業は人を育てる余裕があるところも多く、社会人をスタートさせ、仕事を学ぶには良い環境だと思います。ただ、個人のレベルで見ると大企業が必ずしも安定しているわけでもありません。100年の間生き残る企業であっても、時代の変化に合わせて事業を人員ごとリストラすることもあるのです。

 むしろ一見安定している企業ほど、冷徹な事業の判断をしているからこそ、企業自身が長く生き残ることができているのかもしれません。例えば電機メーカーではつい数年前にはテレビやパソコン、携帯電話機などの事業で大赤字を出した企業も多い。そうしたメーカーの中にはリストラによって不採算事業を切り離し、社会インフラやサービス事業などに集中することでV字回復、現在では史上最高益を上げているところもあります。

 こうした企業は出資者である株主の観点からは安定しているかもしれませんが、不採算事業に在籍してリストラされた社員にとっては安定どころではありません。特に残念だと思うのは、大企業で大きな事業に従事している社員の場合、企業のために働くほど、自分にとっては不安定になりかねないのです。