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 参考になるかわかりませんが、私自身の転職を例に挙げると、新卒で入社した東芝でフラッシュメモリを立ち上げる仕事に従事できたのは大変幸運でした。それこそ少人数で何でもやらなければならない、貴重な経験ができました。その一方、事業が成功するにつれて従事する人も増え、以前に比べれば分業することも必要になりました。

 担当していた事業が会社の基幹事業に成長したわけですから、社員にとっては基本的には幸運です。ただ、何か違うぞ、単純に喜べない、とも感じました。大きな事業で多くの人を巻き込みながら仕事をするのも楽しい経験でした。ただ、いつまでもこうした仕事をしていたら、会社のためにはなるかもしれないけど、個人としては危険ではないかと感じていました。

 そうした時に、大学から声を掛けていただき、もう一度ゼロから始めたい、と思い企業を卒業して大学への転職を決意しました。果たしてその決断が正しかったかは、今でもわかりません。フラッシュメモリ事業は益々成長していますので、もし企業に残っていれば、依然とは全く違う経験ができたのだろうな、チャンスを逃したかもしれないな、とも思います。

 自分の人生を振り返っても何が正解かはわかりませんが、どんな企業であっても就職すれば安泰、ということはない、とは言えるでしょう。また、熟考して就職先を決めても、私のケースのように就職した後に環境は変わるものです。それは誰にも予想できない。

 就職活動をしている学生の皆さんは今は必死に将来を考えているでしょう。ただ、キャリアパスというのは就職する時だけ考えればよいものではなく、常に「今の経験は自分のためになっているのか」、「もし明日この企業が潰れたら自分は食べていけるのか」を自問自答し続ける必要があるのです。もちろん、現在の私も例外ではありません。