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 各種増幅回路や高周波回路、電源回路などの電子回路設計で必要とされ、そして活用用途が広まっているアナログ技術。経験がものを言うとされるアナログ技術では、スキルアップの努力が欠かせないといわれる一方で、数ある書籍を独学で読むだけではアナログ技術への理解が深まりにくいとの指摘がある。

 そこで今回、日経BP社は技術者塾において、アナログ技術を基本的なところから理解できることを狙った連続講座を企画した。監修したのは、日本においてアナログ技術で一目置かれる、群馬大学 大学院 理工学府(電子情報部門)教授の小林春夫氏である。同氏の監修のもと、デバイス、モデリング、回路、レイアウトからシステム、測定までをテーマにした講座群を用意した(第1弾:アナログ回路第2弾:デバイス第3弾:モデリング)。技術者にとって、自ら専門とする領域の講座だけでなく、関連する領域の講座も合わせて受講することで、アナログ技術に対する理解を一層深めることも可能だ。監修者である小林氏に、アナログ設計連続講座を企画した意図や効果を聞く。(聞き手は日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――エレクトロニクス機器では、アナログ技術が欠かせないと聞きます。

小林氏 アナログ技術と対を成す形でデジタル技術がよく取り上げられます。デジタルはとても偉大な技術であることは間違いなのですが、デジタル技術の威力を最大限に発揮させるためにはアナログ技術が欠かせません。つまり、アナログ技術は産業界において、製品の付加価値を生み出し、差異化につながる重要な要素になります。

 アナログ技術と一言でいっても、技術領域はとても幅が広く、それぞれの奥が深い。これがアナログ技術の特徴です。さらに、アナログ技術は進化の途中でガラリと大きく変化するわけではなく、技術の蓄積がものを言います。アナログ技術を身に付けることで、息の長い技術者・研究者になれるという分野でもあります。

――デジタル技術を最大限に発揮させる事例には、どのようなものがありますか?

小林氏 デジタル技術を生かすためのアナログ技術としてよく例に挙がるのが、高速インターフェースのイコライザーやプリエンファシスです。まさにデジタル信号を高速で伝送するために、アナログ技術を使うというものになります。

 A-D変換器やD-A変換器も基本的に、マクロに見ればデジタル信号処理のために用いるアナログ技術といえます。アナログのシステムのためではなく、デジタルのシステムを差異化するために、アナログ技術が必要になるケースです。以前、DSPを用いたシステムに関わったときに、「DSPシステムというとDSPチップが一番重要と思われがちだが、DSPを差異化できるのはその入口と出口、つまりA-D変換器とD-A変換器」と言われたことが印象に残っています。

小林教授の研究グループ。中央やや左の背広姿、白いワイシャツの男性が小林教授
小林教授の研究グループ。中央やや左の背広姿、白いワイシャツの男性が小林教授
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