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教科書に書かれたことの意味をひも解く

――教科書を読んでも分からない事例として、代表的なものを挙げてもらえますか?

小林氏 実は代表的なものというのはなく、アナログ回路の多くのところは教科書を読んだだけでは理解するのが難しいといえます。アナログ回路の教科書を開くと、増幅回路でトランジスタが出てきて、小信号モデルが出てきて、小信号の式と回路モデルが数多く登場しますが、それをいきなり読んで分かる人はなかなかいないと思います。

 教科書に書かれていることには間違いはないのですが、その書かれていることの意味をひも解いてもらえないと、ふに落ちません。教科書で出てくる内容はこういう意味なのだという講義を受けたり、専門家にじかに聞いたりする必要があります。

 教科書をよく読むと、書かれていることの意味に触れられているところもありますが、人から聞かないと重要ポイントを読み飛ばしてしまいがちです。教科書を自分で読むと、どうしても主要な部分しか見ませんよね。「なぜ、そうなるのか」という部分にはあまり着目せず、結果の式や図ばかりに目が行ってしまいます。

 トランジスタレベルのアナログ回路は基本です。そこの設計に慣れるといっても、あるレベルを超えるまで独学ではかなり大変だと思います。専門家に助けを仰がねばならないでしょう。

――CMOSアナログ回路入門では、「基本からOPアンプの動作までを理解する」となっています。アナログ回路の基本的なところを押さえることが可能でしょうか。

小林氏 ベースバンドのアナログ回路は、オペアンプ(OPアンプ)が基本です。オペアンプの使い方だけでなく、オペアンプの中身の設計には、アナログ技術の粋が集まっているといえます。高周波などは別の話になりますが、ベースバンドのアナログに関してはオペアンプが一番重要な回路です。オペアンプをしっかり勉強することで、他のアナログ分野に自身の知識が展開できると思います。

――CMOSアナログ回路入門には「CMOS」と言葉が付いていますが、半導体チップの設計に特化されているのでしょうか。ボード設計向けには活用できますか?

小林氏 ボード設計でもチップ設計でも回路技術の基本は同じです。チップに落とす回路の分野はしっかりと体系化されており、講義内容も充実させることができます。その内容は、ボード設計向けでも共通ですので、十分利用できます。