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 3月に会計年度を締める企業が多い関係で、ゴールデンウィーク前後は期末決算発表が目白押しとなる。大手電機メーカーの決算発表は2000年度までは5月末が通常だった。2001年度から各社が四半期決算発表に踏み切ったため、従来のように期末日から発表まで2カ月もかけているわけにいかなくなった。当時、アナリストや投資家の負担は倍増し、担当銘柄数を絞り込むなどして対応したものだ。

 ゴールデンウィーク前後に決算発表のピークを迎えるようになって15期目に当たる今期。大手電機メーカー3銘柄の株価がストップ安をつける、という前代未聞の事態が発生した。東芝、シャープ、富士通の3社である。ストップ安をつけた事情はそれぞれに異なるが、いずれも日本を代表する電機メーカーとして注目されてきた企業だ。大きな声で「喝!」を入れたい。

東芝は決算発表日がいまだ定まらず

 東芝株がストップ安を記録したのは2015年5月11日。同社については同年4月初旬の段階で、例年通りのタイミングで通期決算を発表できない、との問題が指摘されていた。インフラ関連事業に不適切な会計処理があり、この内容を明らかにしないと決算の数字が確定しないためだ。

 特別調査委員会を設置する旨を4月3日に発表したことで、500円を超えていた同社の株価は20円ほど下落。ただしこの時点では、問題の深刻さは明らかではなく、モヤモヤ感が残る程度だった。しかし5月8日になって、事態は想定以上に深刻であることが判明する。同社が第三者委員会を設置することや、通期業績予想を取り消すことを発表したためだ。状況は一変し、直前に483円だった株価は翌営業日に403円まで下落した。

 その後、過去3年間の累計で営業利益を500億円以上減損する必要がある見込みだと発表したことで、業績への影響度はある程度明確になった(関連記事)。ただし決算発表の日程は現時点でまだ未定である。

 連結売上高6兆7000億円を誇る東芝だが、バランスシートは決して健全とは言えない。株主資本率は2014年度第3四半期時点で20.4%、莫大な投資を必要とするメモリ事業を営む企業としては最も低い数字だ。現預金も常に2000億円前後で推移しており、同社の財務が綱渡りに近いやり繰りを強いられていることは想像に難くない。「不適切な会計処理」がなぜ行われたのか、外部からうかがい知ることは難しいが、同社の脆弱な財務体質と何らかの因果関係があるのではないか、などと筆者は勘ぐってしまう。