それにしても、この速さはとてつもないと思った。2tを超える車両質量とは思えない軽ささえ覚えさせる加速であった。スピードメーターには、300km/h以上の数字が刻まれている。アウトバーンでも、なかなか300km/h超えは容易ではない。
しかし速さ以上に感激するのは、ブレーキの利き味だ。絞め込むようにスピードを殺していく。このブレーキ性能があるからこそ、300km/h超のスピードも現実味を帯びてくるのである。
RS7 Sportbackで印象に残るのは、まずロードホールディングのよさとブレーキ性能であった。ル・マン24時間レースの制覇や、ニュルブルクリンク24時間レースでの勝利が伊達ではなく、レースと高性能車との結びつきを深く実感させられる。