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 製品に付き物である品質や特性のバラつき。製造業に身を置く企業にとっては、古くて新しいテーマといえますが、ここにきて記者説明会の場や取材などの場で「バラつき」という言葉をお聞きすることが増えています。こういう時は何かあるものです。そこで、「日経ものづくりNEWS」の読者を対象に、今どきの「バラつきの抑制と対策」についてアンケート調査を実施しました。そこで集まった回答や自由意見は非常に興味深いものでした。

 例えば、「製品の品質のバラつきが想定外に大きかったことに起因する不具合が増えていますか」と聞いたところ、「大いに感じる」が28.9%、「感じる」が44.5%となり、実に73.4%の回答者の方がバラつきによる不具合の増加を気にしていることが分かりました(回答数は440)。他の調査を含めた回答傾向を調べると、バラつきについての管理をそれほど意識していなかった企業で不具合が起きやすいことが見て取れました。

 アンケートと同時に回答者の方にご記入いただいた自由意見欄にも、現場の技術者の方のバラつきに悩む切実な思いが多数寄せられました。そのいくつかをご紹介します。「バラつきに対する意識は高いのに、製品への要求は厳しくなる一方なので、トラブル発生件数は増えている」。顧客要求の厳しさによりメーカー側の設計の余裕がなくなりつつあるという指摘です。

 グローバル化の進展がバラつきの問題を悪化させているとの意見も目立ちました。「2000年以前は、バラつきの問題が起こっても一旦解決すれば再発しなかった。外注のグローバル化により、今は問題の再発が止まらない」(同)。これらに追い討ちをかけるのが、メーカー側でベテラン技術者が減っていることです。「昔の工場は、図面に書いていないことであっても意図を読み取ってくれた。今は『現場を知らない設計者+言われたことだけやる作業者』になってしまった」という意見がありました。

 製造業の企業にとって喫緊の課題となっているバラつき。今回お届けする2015年6月号の特集1「バラつき対策、待ったなし」では、最先端の取り組みを進めるYKK、日産自動車、富士通の詳細な事例などとともに、このバラつきについて今後どのような対策が望まれるのか、解説しました。担当したのは、この分野を継続的にウオッチしてきた中山副編集長と木崎編集委員です。バラつき関連の取材を長らく担ってきたこの二人だからこそ、今どきのバラつき対策のトレンドをうまく抽出できたと確信しております。

 2015年6月号でもう1つご紹介したいのが、特集2「ドイツで見えたスマート工場の未来」です。ドイツは、「Industry 4.0」として、工場のスマート化による産業革命を仕掛けています。このドイツのハノーバーで2015年4月に開催された産業技術関連の展示会「Hannover Messe 2015」では、Industry 4.0に関連した展示が目を引きました。次世代の製造業としてドイツはどのような姿を描いているのか、Hannover Messe 2015の現地取材を敢行した高野記者が本質を浮かび上がらせます。どうぞご期待ください。