もう一つの理由は、車両前後の質量配分を「50対50」にして運転性能を高めるためです。具体的には、リアのアンダーボディーを鋼板製にして車両の後部を重くすることで、50対50の質量配分にしました。
競合となるメルセデス・ベンツCクラスも、ホワイトボディーの全表面積のうち48%にAl合金を使っています。Cクラスは骨格が鋼製であり、XEほどAl合金の使用比率は高くありません。JLRグループにとっては、「コストや質量配分の面から、あえてAl合金の使用比率を75%に抑えた」というのが実情のようです。
さらに担当者は、「Al合金を多用したXEは実際に運転すると、スポーツカーのFタイプのような“走り”を体感できる」と言います。こうした話を聞いて今さらながらに、同グループのAl合金の使い方の“巧さ(うまさ)”を感じました。