東京エレクトロン(TEL)とApplied Materials(AMAT)社の経営統合の破談を受けて、半導体業界と製造装置業界のこれからを見通す今回のSCR大喜利。次の回答者は、アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル

【質問1の回答】プロセスインテグレーションの進展の鈍化
半導体の技術進化、特に微細化の限界に伴う3次元化を推進する上では、成膜(CVD/ALD)とエッチング、換言すれば物理プロセスと化学プロセスの高度なプロセスインテグレーションが重要である。PVD装置やイオン注入装置などを中心に高いシェアを持つAMATとレジスト処理装置や熱処理装置などで高いシェアを持つTELの2社の経営統合はその技術開発を1社で担える企業体の登場を期待させるものであったが、それはかなわぬこととなった。
一方で今後の技術進化におけるプロセスインテグレーションへの期待やその重要性は変わらない。今回の破談により統合による開発加速こそ期待しにくくなったが、今後は経営統合以外のアプローチによるオープンイノベーションの加速により、プロセスインテグレーションが目指されていくのではないか。