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我々が何かに触れた際に感じる「触覚」が、製品の価値や生活の質を引き上げる。機器開発においても感性に訴えることが重要になっており、製品の触り心地や操作性の評価・設計に対するニーズが高まっている。日経BP社の技術者塾「触覚テクノロジーによる価値創出」(2015年7月14日開催)で講師を務める田中由浩氏に、触覚技術の重要性、触覚技術の活用のポイント、上述のセミナーの受講効果などについて聞いた。

――触覚テクノロジーへの関心やニーズが高まっています。その理由は。

田中氏
田中由浩氏(名古屋工業大学大学院 工学研究科産業戦略工学専攻 准教授)

 触覚は視覚や聴覚に比べて技術開発の進みが遅く,その知覚メカニズムも明らかになっていない部分が多くあります。触覚に関わる技術領域は、その効果が未開拓である反面、大きく発展する可能性を秘めています。

 例えば、身の回りに存在する製品の開発です。手触りや使用感などの感性的価値はこれまでも重要な要素でしたが、今後は機能以外で差異化を図ることが求められ、感性的価値が一層重要になると考えています。また、触覚は、単に感触の良しあしだけでなく、安心感など情動にも作用する可能性を秘めており、その効果は広範にわたります。

 触覚はまだ、定量化も十分にできていません。触感のデザインも、多くは試行錯誤的に行われています。触覚に関わるコミュニケーションも、言語による表現のみというのが現状です。医療・福祉、製造の現場など、様々な分野で、計測や提示、情報伝達に関わる技術開発が期待されています。

 まだまだ触覚に関わる設計論は確立されていませんが、今回のセミナーを通じて、触覚に関わる基礎やその応用例を知ることで、触覚に関する技術の効果やその発展性を感じ、触覚に関わる課題解決や新しい製品開発のためのヒント、あるいは気づきにつながる一視点を得ていただければ幸いです。