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 日を改めて別のロボット専門家と分解を続行した。腕の先端をばらしているとき、突然それは外れて落ちた。作業が進んで喜んだのも束の間、よく見るとフレキシブル基板が千切れている。

 これで、Pepperを元どおりの姿に戻すことは名実ともに不可能になった。それまでは部品一つ一つのあるべき場所を記録にとどめ、なるべく再現できるよう心を配ってきたのだったが。

(写真:加藤康、以下同)
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 果たしてPepperの設計は優れているのか。こう聞くと、専門家は答えた。確かにこのハードウエアは凄い。ただし、それを評価するには、何に使うロボットかを定義する必要がある。翻ってPepperの用途とは何なのか。

 専門家は、本当はソフトバンクから「これは」と思うアプリが、1つでいいから出てきてほしいと語る。今のところ、驚くような提案はなかった。会話や介護、ゲームなど、これまでの想定の範囲内にとどまる。恐らく今、一番大きい用途は、ユーザーとの会話を中心に据えたコミュニケーション用途だろう。だとすると、ここまで贅沢なハードウエアは本当に必要だったのか。

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 ロボットに携わって20年ほどの専門家は続けた。 コミュニケーション用であれば、まずは喋るだけでも十分。機能を絞り安価なハードで発売したほうがよかったのではないか。そこで経験を積んで、徐々に自由度の高いハードウエアに発展させればよい。