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 3日目になって、疲れが吹き飛んだ。ではなく、ショーの雰囲気が一変した。プレスデーは世界中から多くの報道関係者が集まり、情報は瞬く間に世界を駆け巡る。このため、コンパニオン禁止という中国政府のお達しを守っていることを示すためにも、自動車メーカー各社は肌を露出したお姉様をブースに並べるわけにはいかなかった。でも、報道関係者の多くは2日目が終わった時点で会場を去る。

 本当の開幕(?)は3日目だったのだ。粘ってよかった。万が一の誤解のために断っておくが、筆者は決して大胆な露出のコンパニオンが大好きなわけではない。コンパニオンは、自動車メーカー各社の個性や勢いといった“色”を的確に演出するという点において、モーターショーにはなくてはならない存在だと考えているのである。言い訳で脱線してしまった。

 おそらく、日本や欧米のモーターショーでは、政府のお達しがあれば肌を大胆に露出した女性は登場しない。でもここは中国。数多くの自動車メーカーがブースを構えてアピール合戦は過熱する。「目立った者勝ち」と書くと聞こえが悪いかもしれないが、決められたルールを行儀よく守るだけでは勝ち上がれない厳しい市場だ。

 そして話は冒頭に戻る。自動車メーカーは知恵を絞った。ブラシやスプレー缶を持ったヘソ出しの彼女は、「コンパニオン」ではなく「清掃スタッフ」なのだ。大胆に肌を露出しているけど清掃スタッフで、クルマを綺麗に磨いているだけ。だから、ルールはきちんと守っているということなのだろう。その手があったか。中国半端ない、素直にそう思った。なお、「半端ない」とは「半端なことではない」の短縮語で、驚愕を意味する感嘆の言葉である。