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触感提示装置が「MacBook」に採用されるなど、新しいインターフェース技術の応用展開が加速している。従来の視聴覚提示にとどまらず、触覚に代表される多様な感覚を提示することへのニーズが高まっている。日経BP社の技術者塾「触るインタフェース(基礎編)」(2015年8月5日開催)で講師を務める梶本裕之氏に、触覚技術が注目を集めている理由や、触覚技術の活用のポイント、上述のセミナーの受講効果などについて聞いた。(聞き手は日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――触覚を利用したユーザーインターフェースへの関心やニーズが高まっています。その理由は。

梶本准教授
電気通信大学 准教授の梶本裕之氏

 質問に答えるために、最初に、ユーザーインターフェースに求められる要件を簡単に説明します。

 ユーザーインターフェースは、ユーザーの動作とユーザーへの情報提示という入出力を持つフィードバックループと見なすことができます。このループを効率よく回すことが、いわゆる直感的ユーザーインターフェースの決め手になります。実現手段としては、「入力の負荷」「出力の負荷」「人間の(脳内)負荷」「コンピューターの(CPU内)負荷」を下げることが考えられます。

 これら4要素のうち、コンピューターの性能向上に伴って「コンピューターの負荷」が問題にならなくなってきました。このことが、現在、触覚を利用したユーザーインターフェースの関心やニーズが高まっている根本的な理由だと考えています。

 まず、触覚は我々の動作によって初めて生じますから、ユーザーインターフェースにおける入力と出力の双方に関係し、それぞれの負荷を下げる役割を果たす可能性があります。また、触覚を利用したユーザーインターフェースは、「人間の負荷」も低い可能性があります。我々は動作によって瞬間的に生じる触覚を日常的に体験し、それを処理する能力を身体的に備えているからです。

 コンピューターの性能向上に伴って相対的に顕在化した、ユーザーインターフェースにおける様々な負荷を引き下げる技術として、触覚を利用したユーザーインターフェースが期待を集めているのです。