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 はじめまして。7月から「日経Robotics」、「日経テクノロジーオンライン」の編集部の一員になりました。松元と申します。

 私は、中途採用で日経BP社に入社しました。前職ではとあるメーカーでロボットの開発に取り組んでいました。「不特定多数の人がいる空間で、自律して動くことのできるロボット」が目標でした。私の関わったロボット開発について少し書いてみようと思います。

 開発に携わっていた時、多くの方々に「これしかできないの」といった言葉を頂きました。研究室の中では、何でもできるように動いていたロボットも、研究室の外に出た途端に何もできなくなってしまいます。

 研究室では、成功のために最適な環境が与えられます。また、乱暴な言い方かもしれませんが、研究は多くの失敗よりも1回の成功に価値がある世界です。ところが実際に実用化するとなれば、ロボットはそんな甘やかされた状況から、1回の失敗も許さない世界に放り込まれる訳です。ロボットのセンサーやモーターの故障、制御ソフトのバグ、誤った使い方など想定される全ての事故について対策をしなければなりません。とても費用と時間のかかる作業です。

 現実世界では、自由に動ける範囲が広いほどロボットの動作を保証することは難しくなります。決して多くはない人員と資金の中で、どんどんロボットの動ける範囲、できる動作は削られ、ほとんど動けない期待外れのロボットが出来上がるわけです。

 それでは、ロボットが私たちの周りを自由に動きまわる日は来ないのでしょうか。私は自動車の自動運転の技術に期待しています。自動車の自動運転も、ロボットの自律移動も基本的な課題は同じですが、ロボットと違い自動車には大きな市場と大きな資本があります。将来、私たちの周りで動き回るロボットが登場する時は、そのロボットには自動運転の技術やデバイスが組み込まれているのではないでしょうか。

 また自律的には動けなくても、コミュニケーションに特化したり、遠隔操作と組み合わせたりすることで、実用化されるロボットも登場してきました。また、装着型で身体をアシストするロボットも実用化が進んでいます。

 今、ロボットブームに日本中が沸いています。私はこのブームは、ロボットに期待する人々の夢でできているように思います。夢を夢のままで終わらせないために、私も「日経Robotics」、「日経テクノロジーオンライン」を通して皆様の創造力を刺激するような記事を書けるよう精進してまいります。よろしくお願い致します。