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写真●Tizen Associationの議長を務めるNTTドコモ永田清人取締役執行役員マーケティング部長
写真●Tizen Associationの議長を務めるNTTドコモ永田清人取締役執行役員マーケティング部長
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 Tizen Associationが推進するオープンソースのモバイルOS「Tizen(タイゼン)」。スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2013(MWC2013)で先にプレスカンファレンスを開催したFirefox OS(関連記事)と同様に、誰もが自由に参加できるオープンOSであり、特定のプラットフォーマーに依存することなく通信事業者などが自由にビジネスモデルを構築できるOSとなっている。

 そんなTizen陣営もMWC2013に合わせてイベントを開催し(関連記事)、仏オレンジやNTTドコモが年内にTizen搭載端末を発売していくことがアナウンスされた。Tizen Associationの議長を務めるNTTドコモ永田清人取締役執行役員マーケティング部長(写真)が、Tizen Associationの議長の立場として、またTizen端末を発売するドコモの立場として、日本の報道陣向けにその期待を語った。その様子をお伝えする。


ドコモにとってのTizenへの期待は?

 HTML5に動き出すためのドライバーになることを期待している。将来的にはシングルOSで端末を提供するのではなく、必ずマルチOSの世界がやってくる。マルチOS環境を意識してアプリケーションやサービスを作る必要がある。そのためにはネイティブの機能や特定のOSのSDKに特化したアプリ開発スタイルを改め、HTML5アプリの割合を増やしていく必要がある。そういった我々(ドコモ)の将来投資を減らす手段として使いたい。

 Tizenは他のOSと比較して最もHTML5の処理のパフォーマンスが高い。HTML5だけで足りない部分はネイティブと組み合わせて書くこともできる。開発スタイルを変える意味でも大きい。日本の携帯電話事業者やコンテンツプロバイダーを含めた市場もこのような動きに貢献できればと思っている。

ユーザーから見てTizenならではのメリットは?

 真にオープンなOSで制約がないため、HTML5で様々な開発者やプレーヤーが入ってくることがメリットになるだろう。マルチOSの時代がやってきた時に、HTML5によってどのプラットフォームでも同じサービスを出せるようになる点もメリットだ。また将来的には車載向けのTizen(Tizen IVI)の影響など、バラエティーが増していくことも利点になるかもしれない。

LiMo FoundationやWAC(Wholesale Applications Commnunity)といった、失敗に終わったかつての取り組みとは何が違うのか(注:永田氏はかつてLiMo Foundationの議長も務めていた)。

 テクノロジーの話をオペレーターが中心となって進めるのは良くなかった。実際にクリエイションをしない人たちが大きく口を出すのはイノベーションを妨げる。これをLinux Foundationというオープンな場所に切り出したのはよい方向だろう。

 LiMoは、Linuxベースの端末を作るのであれば、みんなでシェアすれば開発費が何分の1になるのではというのが元々のコンセプトだった。エコシステムやビジネスを避けてきて、まずはテクノロジー中心に動いてた。当時はエコシステムという考えもメジャーではなかった。それがiPhoneやAndroidが出てきて変わり、我々自身も変わった。WACについては基盤が何もないところで上位レイヤーの話をしているだけだった。

 Tizenはきちんとベースの部分がある。テクノロジーの部分はサムスン電子やインテルなど、実際にコードを書いている人たちに任せる。それをどのように使っていくのかというビジネスモデルの部分については携帯電話事業者が考える新しい枠組になっている。必ず成功するのかと言われれば成功するように考えている。

 サムスン自身もTizenにかなりの投資をしており、彼らが求めるクオリティーでは変なものは出せないだろう。それに加えて今回、中国ファーウェイが端末メーカ―として参加してくれたことも大きい。サムスンとは異なる価格戦略で端末が出てくることが期待できる。