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試作した「光るメガネ」。かけている人自身はまぶしくないという。
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「光るポスター」
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 東芝は、2013年5月20日に開幕するディスプレイ技術の学会「SID Display Week 2013(SID 2013)」において、透過型有機ELの詳細を発表する(講演番号49.4L)。明らかにするのは、2013年3月5~8日の展示会「ライティングフェア」で参考出展した「透過型片面発光有機ELパネル」の構造の詳細である。

 消灯時に透明にできることは、従来の照明技術にない、照明用の有機ELパネルの大きな特徴の一つだ。一般に、有機ELパネルを透明にするには、パネルの両側に配置している電極に、ITOなどの透明電極を用いればよい。しかし、こうして作製した透明な有機ELパネルには二つ課題があった。一つは、パネルの表と裏の両側に光が出てくる点。この結果、用途によっては不都合が生じてしまう。例えば、窓にこの透明有機ELパネルを用いると、部屋だけでなく窓の外も照らしてしまうため、電力が無駄になるだけでなく光害にもなる。もう一つの課題は、発光するとパネルのどちらから見ても透明には見えなくなる点だ。つまり、発光時には透明という特徴が失われてしまう。しかし、一般的な構造の透明有機ELパネルで、光の取り出し方向を制御するのは、技術的に容易ではなかった。

透明でない有機ELをストライプ状に作製

 東芝はこの課題を、独自の手法で解決した。ITOなどの透明電極をパネルの両側に使うことをやめたのである。具体的には、パネルの裏側の電極に透明でない金属電極を用いた。ただし、形状を細いストライプ状にした。こうすると、パネルの中で金属電極がある部分は、いわゆる透明有機ELではないため、パネルの表側に大部分の光を取り出せる。一方、金属電極がない部分は、光が双方向に透過し、発光時でも透明なままである。この結果、パネルの裏側から見ると発光時でもパネルは透明に見える。「透明といわずに透過型といっているのはそのため」(東芝)だという。