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Kumar Galhotra氏
Kumar Galhotra氏
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 米Ford Motor社がIT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2013」(2013年6月4~8日、台湾・台北市)に出展している。2012年に続いて2回目だ。自動車メーカーのFord社がなぜ、COMPUTEXに出展するのか。Ford社Asia, Pacific, Product Development, Vice PresidentのKumar Galhotra氏に話を聞いた。

―Fordは自動車会社であるにもかかわらず、なぜCOMPUTEX TAIPEIに出展するのか。

 我々は「International CES」や「Mobile World Congress」といった一連のIT系の展示会に出展してきている。COMPUTEX TAIPEIも、こうした流れの中にある。すなわち、(スマートフォンのアプリと車載機から利用できるようにする仕組みである)「SYNC AppLink」(以下、AppLink)のためのアプリケーション・ソフトウエア開発の協力者を募るという目的だ。アプリを作ってもらうためには、幅広いコミュニティーとの対話が大事だ。自動車メーカーであっても、IT系の展示会に出展し、対話する機会を持つ必要がある。

―MirrorLinkやWi-Fi Miracastといった、スマートフォンの画面を車載機のモニタに転送して、表示する仕組みが登場しているが、これにはどのように対抗するのか。

 AppLinkは音声操作やハンドルに付けられたコントローラなどから、スマートフォンの画面を見ることなく、スマートフォンのアプリをコントロールできるようなインタフェースを提供する。Ford社からAppLinkのSDKを提供するパートナーに対しては、開発するアプリについて合意を取り、運転を乱すもの、例えば、動画やゲームといったアプリについては、作成の許可を出さないようにしている。つまり、自動車を運転しながらアプリを楽しむのに最適な仕組みを提供するのが、AppLinkだ。

さらに言えば、AppLinkはiOS、Android、BlackBerry向けのSDKを用意しており、スマートフォンのプラットフォームを問わず利用できるのも他の仕組みとの違いだ。

―車載機からスマートフォンを制御できることは分かったが、逆に車両側の情報を取得したり、制御したりはできるのか。

 そこについてはセキュリティー面を考慮して慎重になっている。自動車のネットワークとの間に厳しいファイアウォールを用意し、何を公開するかを厳格に判断しながら作っている。現時点では、スマートフォン側が得られる車両の情報は位置情報ぐらいだし、スマートフォンから車両の制御はできない。ただ、将来は正直なところ分からない。先進安全系のシステムや車車間通信、究極的には自動運転がやってくることを考えれば、今後はさまざまな展開が考えられるのではないだろうか。

―ところで、アプリ開発者たちはFord社のAppLinkという小さなプラットフォームのために、アプリを作ってくれるだろうか。

 我々は、何もAppLink専用のアプリを作ってもらおうと考えているわけではなく、スマートフォンのネーティブ・アプリやWebアプリとして既に流通しているアプリのサブセットを作ってほしいと考えている。家やオフィス、屋外で使うアプリを自動車の中でも使ってもらうという発想だ。アプリ開発者にとっては、利用者が使える場所を広げてアプリの使い勝手を増せるということで、魅力を感じてもらえるのではないだろうか。

 さらに、開発者にAppLinkへの魅力を感じてもらうために、AppLink SDKの仕様やソースコードは、随時、GENIVI Allianceに提供している。さすがに、他の自動車会社の車載機でFord社のサービスであるAppLinkを使えるようにはならないが、GENIVI Alliance準拠の車載機に対してAppLink対応のアプリを大きなカスタマイズを必要とせずに、対応させることができるようになる。